ライフサイクルアセスメント:ネットゼロの実現に大きな役割を担うライフサイクルアセスメントを導入し、サステナビリティの目標を達成する

ライフサイクルアセスメントは今や製品やサービスが環境に与える影響を測定するだけではありません。デジタル化と組み合わせることで、実際に製造する前に誰でも持続可能性を見極めることができるのです。その方法をご紹介します。

緊急時に求められる、効果的な対策

環境意識が高まり、サステナビリティに関して求められることが増す中、ネットゼロに向けた取り組みが進んでいますが、世界的な環境の目標達成に向けて、より迅速に、さらに多くのことができるはずです。そのためには、持続可能なイノベーションの促進が必要です。そして持続可能なイノベーションは、エコデザイン(環境配慮設計)の原理を取り入れることから始まります。

製品やサービスが環境に与える影響の80%は、設計によって決まります。エコデザイン(環境配慮設計)を製品やサービスの開発に取り入れることでサステナビリティを高めることができ、またサーキュラー・エコノミーの実現にも近づきます。

しかしフィナンシャル・タイムズ・フォーカス・レポートによると、56%の上級管理職や経営幹部がこのことを認識しているものの、大半はエコデザインを導入できていません。

これを解決する手掛かりがライフサイクルアセスメントです。ライフサイクルアセスメントは製品のライフサイクル全体や特定の段階における環境負荷を定量的に評価するので、エコデザイン導入の指針となるからです。

さらにライフサイクルアセスメントは設計以外でも大きな役割を果たします。たとえば、デジタルに情報を一元化して検証できる3DEXPERIENCEプラットフォームにライフサイクルアセスメントを組み入れることで、製品ライフサイクル全体の環境負荷を迅速に把握し、広く環境に配慮した対策をとることができ、結果として製品、サービスのサステナビリティをさらに高めることにつながるのです。
 

フィナンシャル・タイムズ・フォーカス・レポート:持続可能なイノベーションの事例

まずはサステナビリティを優先事項と定めます。その上で、サステナビリティの課題をどのように克服し、克服することによるメリットを最大化するのか、その方法をご覧ください。 

ライフサイクルアセスメントはどのようにサステナビリティを促進するのか?

ライフサイクルアセスメント(LCA)は、製品・サービスのライフサイクル全体(原材料の調達から製造、流通、使用、消費、廃棄、リサイクルに至るまで)、またはその特定の段階における環境負荷を定量的に評価する手法です。そして、ライフサイクルアセスメントは、工程や多くの情報源から得られるデータに基づくものであり、以下のような課題を解決するのに役立ちます。

  • 最もサステナブルな製品設計や材料選択とは?
  • 土地資源や水資源の利用を最も抑えることができるプロセスとは?
  • カーボンフットプリントを最も減らすことができる製造戦略やサプライヤー戦略とは?

従来のライフサイクルアセスメントは、日常のビジネス活動とは切り離されており、既に製造・履行された製品やサービスの影響を測定するものでした。しかし今は、高度なデジタル化により、ライフサイクルの各段階で環境負荷を定量化できるので、製造プロセスを通してさまざまな対策をとることができます。

LCAは、製品ライフサイクル全体にわたって環境への影響を評価するのに必要な指標をもたらします。LCAをバーチャルツインのテクノロジーと統合することで、極めて早い段階で環境への影響に対処するという新たな可能性が開かれます。

ライフサイクルアセスメントが持続可能性を推進する > Emilia Moreno Ruiz氏 > ダッソー・システムズ
Emilia Moreno Ruiz氏 
ecoinvent 最高技術責任者

バーチャルツイン・エクスペリエンスとは、科学的に正確なコンピューターモデルやシミュレーションにより、製品やサービスのアイディアや設計をバーチャルに検証することです。物理的なプロトタイプの制作や、実世界でのオペレーションテストなしで、コンピュータ・ベースの設計、製造、マーケティングを行うことができます。また、ライフサイクルアセスメントをバーチャルツイン技術に組み込むことで、製品やサービス考案という初期段階から環境アセスメントを行うことができます。 

持続可能なイノベーションを再考する

ダッソー・システムズの、持続可能なイノベーション実現に向けたインテリジェントなソリューションのように、ライフサイクルアセスメント(LCA)バーチャルツインに組み込むことは、ネットゼロに向けた多くの新しい可能性をもたらします。また当社は正確な識見を一貫して導き出すために、製品ライフサイクルについて多様で精度の高い情報を持つ、環境データベースのプロバイダー、ecoinvent(エコインベント)と提携しています。

ライフサイクルアセスメント全体のデータと、3DEXPERIENCE®プラットフォームに構築するバーチャルツインを活用することで、企業は、循環型の製品ライフサイクル実現に向けたイノベーションを推進し、競争力を高め、気候変動に対処するために、より態勢を整えることができます。

持続可能なイノベーション実現に向けたインテリジェントなソリューションが、どのように環境対策を効果的なものにするのか、インフォグラフィックをご覧ください。

ライフサイクルアセスメントが持続可能性を推進する > ecoinvent Association > Dassault Systèmes®

ecoinvent Database(エコインベント・データベース)

ecoinvent Association(エコインベント・アソシエーション)は、環境データの提供における世界的なリーダーです。ecoinvent Databaseには、あらゆる産業分野にわたる19,000を超えるライフサイクルインベントリ(LCI)データセットが含まれており、世界レベルで、多様なセクターをカバーしています。非営利団体であるecoinvent Associationは、スイスの研究機関ETHZ、EPFL、PSI、Empa、Agroscopeによって設立され、世界中で環境データの利用を促進しています。

ダッソー・システムズのソリューション

廃棄物の削減を最適化し、競争上の優位性を強化するのに、ダッソー・システムズのインダスリー・ソリューションがどのように役立つのか、詳細をご覧ください

関連コンテンツ

サステナビリティ・コミットメント

ダッソー・システムズは、3DEXPERIENCEで、製品、自然、生活が調和する、持続可能なイノベーションを実現します。

破壊的イノベーションの実現

5つの業界のユースケースだけでも、複合的なメリットが1.3兆ドルの経済価値と、CO2換算で7.5Gtの排出量削減に達する可能性があります。

フィナンシャル・タイムズ・フォーカス・レポート:持続可能なイノベーションの事例

持続可能なイノベーションを推進するというムーブメントにおいて何ができるでしょうか?リンク先でご覧ください。