環境に一段と配慮した目標に取り組む

都市は環境に多大な影響を及ぼしています。そして都市部の人口増加に伴い、廃棄物や温室効果ガスの排出量が増え続けています。世界経済フォーラムによると、世界の二酸化炭素排出量の約70%が都市に起因するものです。また、建築・建設業界の国際的なイニシアチブである、建物および建築のグローバル・アライアンス(Global Alliance for Buildings and Construction)の2020年のレポートによると、世界の二酸化炭素排出量の38%建設業界によるものです。

したがって、雇用の重要な役割を担う一方で環境に大きな影響を及ぼす建設業界は、世界がサステナビリティを実現するための鍵を握っているのです。

建設方法を根本から見直し、改善する

建設の持続可能性を高めるためには、デジタル化が鍵となります。企業はデジタル化により、建設プロジェクトを合理化し、資材の影響を分析し、エネルギー消費を測定することができるからです。 

環境に配慮した建設を実現する手法

フィナンシャル・タイムズ・フォーカスレポートによれば、建設業界のエコを促進するために、以下のようなサステナブルな革新が行われており、その流れは加速しています。

サステナブルな材料を使用する

スチールなどのリサイクル素材や、木や竹などの環境に配慮した天然材料の利用を促すため、炭素税を課す行政も存在します。材料や資材の使用に対してより責任を持つことが求められています。

無駄をなくす

建設プロジェクト全体を見直し、改善することで、必要な資材だけを調達することができ、廃棄物やコストの削減につながります。

輸送を最小限に抑える

近隣のサプライヤーの資材を活用するなどの方法で、物流の枠組みを最適化することで、輸送を最小限に抑え、温室効果ガスの排出量を削減することができます。

また、建設業界では脱炭素化を進めていますが、脱炭素化を確実に推進するにはデジタル化が不可欠です。

デジタル化の鍵は、全てを統合することができるクラウド環境であり、これを満たすのがダッソー・システムズのクラウド版の3DEXPERIENCEプラットフォームです。クラウド版の3DEXPERIENCEプラットフォームは、全てのデータや情報を一つのデジタル環境のもとに集約し、設計やシミュレーション、リアルタイムでセキュアなアクセス、関係者全員のコラボレーション等ができるので、バリューチェーン全体で非効率性を多いに解消します。結果として、廃棄物、コスト、炭素排出量の削減につながります。

生産および消費の方法を変えることが急務となっています。私たちは全てを見直す必要があります。3DEXPERIENCE®プラットフォームは、技術を活用し様々な問題をよりサステナブルな手法で解決することを可能にする、優れた機能を持ちます。

アリス・スティーンランドの写真 > ダッソー・システムズ
アリス・スティーンランド(Alice Steenland)
ダッソー・システムズ、サステナビリティ最高責任者

クラウド版の3DEXPERIENCEプラットフォームを活用する

企業は、クラウド上の3DEXPERIENCEプラットフォームにビルト・エンバイロメントのバーチャルツインを構築することができ、構築したバーチャルツインを活用して、よりサステナブルな資材や建設技術を実現することができます。

結果として企業は、プロジェクト全体に持続可能性への配慮を組み込みつつ、製造と建設のプロセスを改善することができます。

3DEXPERIENCEプラットフォームは、サステナブルな建設を目指す企業を以下の方法でサポートします。

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仮想空間で環境に配慮した資材を選定

 

仮想空間で建設資材を検証することで、建設資材が環境に与える影響を前もって測定し、炭素排出量の少ない資材を選定することができます。
たとえば、フランスの大手建設会社であるブイグ・コンストラクションは、ダッソー・システムズの3DEXPERIENCEプラットフォームでのバーチャルなシミュレーションを活用することで、コンクリートに起因するカーボンインテンシティ(炭素強度)を40%減らし、サステナブルな木材の使用量を30%増やすことを目指しています。

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建設プロセスを最適化、標準化

設計、製造、輸送から部材の組立てに至るまで、あらゆる作業を自社で完全に統括する企業が出てきました。例えば、フランスの大手建設会社であるブイグ・コンストラクションは、デジタル技術により、モジュール型アパートを年間2,000棟製造できる生産能力を持つ工場を実現しました。工場で完成させたパーツを現場で迅速、クリーン、容易に組み立てることができ、資源、コストの削減と建設期間短縮につながります。同社はさらに、低炭素で自立循環型の公営住宅をフランスのグルノーブルに建設し、水の消費量を70%家庭ごみを40%削減しました。

デジタル方式でシミュレーション、建設、テストのアイコン > 脱炭素化 > 建設・都市・地域開発 > ダッソー・システムズ®

デジタルな仮想世界でのシミュレーションと考察


デジタルエンジニアリングソリューションにより、建設が環境に与える影響を減らすことができます。デジタル計測、ベンチマーキング、ナレッジの共有、ベストプラクティスの実施により、炭素集約型の工程を減らし、建設のスピードを加速し、コストを抑えることができます。たとえば、カナダの建築コンサルティング会社であるCadMakersは、クラウド版の3DEXPERIENCEプラットフォームを活用することで、これを実現しています。さらに、主要構造に木材を多用したブロックコモンズ・トールウッド・ハウス(2017年当時で世界一高層の木造近代建築)の建設では、木材利用によってCO2排出量を2432トン削減するなどし、環境に貢献しています。

デジタル連続性を確保のアイコン > 脱炭素化 > 建設・都市・地域開発 > ダッソー・システムズ®

確実なデジタル・コンティニュイティ

クラウド版の3DEXPERIENCEプラットフォームは、一つのプラットフォーム上にリアルタイムでデータが集約、更新されてゆき、関係者全員がアクセスできるので、場所や組織を超えた協働を可能にします。

クラウド版の3DEXPERIENCEプラットフォームを活用すれば、以前は建設の工程と分離されていたチームも、プロジェクトに影響を与える(より優れたプランニングやリソースマネジメント、設計時間の短縮につながるような)要因について、コラボレーションすることができます。

たとえば、ルクセンブルクのLeko Labsは、3DEXPERIENCEプラットフォームを活用し、ワークフローのあらゆる面をシミュレーションし、全ての関係者の間で設計データを共有することで、実際にリソースを投入する前にデジタル環境で、プロジェクトを構成する全ての要素を最適化しています。

3DEXPERIENCEプラットフォームは、持続可能性を実現するための、コラボレーティブで拡張性のある、効果的な方法をご提供します。

インダストリー・ソリューション・エクスペリエンス

持続可能で環境に配慮した建設を推進、サポートするダッソー・システムズの建設業界向けのインダストリー・ソリューションについて、詳しくはこちらをご覧ください。

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サステナビリティ・コミットメント

ダッソー・システムズは、3DEXPERIENCEで、製品、自然、生活が調和する、持続可能なイノベーションを実現します。

破壊的イノベーションの実現

バーチャルツインの技術はCO2排出量削減だけではなく、大きな経済的メリットももたらします。バーチャルツインにより生み出される破壊的なイノベーションと、複合的なメリットをご紹介します。

フィナンシャル・タイムズ・フォーカス・レポート:持続可能なイノベーションの事例

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