MODSIM モデリングとシミュレーションの統合
3DEXPERIENCE プラットフォーム上のモデリングとシミュレーション
MODSIM とは何か?
MODSIM とは、3DEXPERIENCE® プラットフォーム上の単一ユーザー・エクスペリエンスで、共通データ・モデルを使ってモデリングとシミュレーションを統合するアプローチです。従来のCAEプロセスが直線的なのに対し、MODSIMプロセスは循環的です。MODSIM ループでは、ジオメトリの修正、メッシュ生成、コネクションといったモデリング作業から、初期条件、相互作用、境界条件の設定といったシミュレーション作業まで、データのエクスポートなしにすべて実行します。各工程でデータが段階的に追加していくため初期設計に変更があった場合でも、シミュレーションを自動的に更新します。最初からやり直す必要があった従来のプロセスと比較すると、画期的な進化です。さらに、パラメトリック設計空間の自動化による設計探索も、MODSIM の中核プロセスで不可欠な部分です。what-if分析を可能にし、効率化によるコスト削減に大きな影響を与えます。
3DEXPERIENCE プラットフォームは、データ、システム、プロセス、人材を一箇所に統合します。このプラットフォームは、企業がプログラム管理、製品管理、テスト管理といった明確に定義した相互運用可能な製品開発の層を、MODSIMと連携させて運用できる唯一の信頼できる情報源です。3DEXPERIENCEプラットフォーム上のMODSIMは、以下を実現可能にする鍵となる要素です:
- シミュレーション・プロセスの変革 - 自動化・統合した、適切にドキュメント化したプロセスへの根本的な変化
- デジタル・エンジニアリングの変革 - エンジニアリングをより迅速に、革新的で効率的なものにし、より魅力的な製品を創出
MODSIM の主なメリット
市場投入期間の短縮
開発時間を最大 90%、数か月かかっていたものを数週間に短縮します。
下流工程での障害を低減
MODSIM は、シミュレーションを活用したシフトレフト戦略により、設計コンセプト段階で事前検証と妥当性確認をし、下流工程の不具合や手戻りのリスクを軽減します。
イノベーションの促進
設計プロセス内にシミュレーションを組込むことで、エンジニアは製品の挙動を正確に予測できます。反復作業を伴う設計空間探索を自動化することで、不確実性を減らします。
コストの削減
製品効率を最大 40% 向上し、最大 20% の軽量化を実現し、設備投資コストを最大 8% 削減します。
共通データ・モデル
CATIA や SOLIDWORKS などの一般的な CAD システムの使い慣れた設計環境で、Abaqus、PowerFLOW、CST Studio Suite などの高度なシミュレーションツールで設計プロセスを最大化します。
MODSIM プロセスを使用すると、要件、設計意図、さらには思考プロセスを直接設計自体に埋め込んで、設計プロセスとシミュレーション・プロセスを簡単に取得して複製できます。MODSIM では CAD と CAE の関連データ・モデルが統合されているため、シミュレーション用にモデルをエクスポートしたり変換したりする必要がありません。
また、PLM システムとシームレスに統合しているため、パートナー、サプライヤー、コンサルタントと効率的にコラボレーションでき、つながっていないレガシーシステムに比べて大幅に効率を改善します。
複数分野にまたがるコラボレーション
3DEXPERIENCE プラットフォームの MODSIM プロセスは、エンジニアリング分野間のギャップを埋め、真に統合したマルチフィジックスシミュレーションを可能にします。MODSIM で使用する SIMULIA ポートフォリオは、構造、流体、電磁界、音響、機構など、さまざまな物理挙動に対応します。こうした異なる物理的側面の相互作用を考慮したシミュレーションが可能で、真の挙動を正確に表現します。
SIMULIA はプロジェクト管理機能を搭載し、インサイトと信頼性を提供するだけでなく、設計プロセス全体で透明性とトレーサビリティを確保します。具体的には、問題の追跡、変更の管理、進行中の作業への随時アクセスなどがあります。MODSIM と 3DEXPERIENCE プラットフォームを使用すると、チームは直ぐに設計検証でき、効率的で効果的なプロジェクト管理が可能です。
シフトレフト戦略
MODSIM は、シミュレーションを活用したシフトレフト戦略により、設計コンセプト段階で事前検証と妥当性確認をし、下流工程での障害や手戻りのリスクを軽減します。
Concept Structure Engineerで、設計者が製品開発をしながらシミュレーションを実行できます。Lattice Designer は、従来の設計形状から脱却し、上流工程でシミュレーションに使える形状を作成します。こうしたコンセプトにより、開発効率が飛躍的に向上し、試作回数を減らしながら、革新的な製品を低コストかつ納期内に開発することを可能にします。
シミュレーションの大衆化
シミュレーションを大衆化し、設計者や 3DEXPERIENCE プラットフォームに不慣れな人でも複雑なシミュレーションワークフローを利用できるようにし、設計プロセスを高速化します。
高価値なシミュレーションワークフローを標準化してテンプレート化することで、一貫性のある高品質なシミュレーションのベストプラクティスを繰返し使用できます。結果としてCAE専任者がより高価値な仕事に注力できます。
- エンジニアで MODSIM
- チームで MODSIM
- 企業で MODSIM
エンジニアで MODSIM
ダッソー・システムズの3DEXPERIENCE プラットフォーム上のMODSIMは、モデリングとシミュレーションを統合する独自のエンジニアリングと設計の次世代パラダイムです。このeブックでは、架空のEV開発チームがMODSIMで得た、以下のメリットを説明します。
- 共通モデルの構築
- モデリングの自動化
- 快適な設計環境
- シミュレーション設定の自動化
- 大衆化
- 情報の一元管理
- 統合プラットフォーム
チームで MODSIM
エンジニアリングチームのリーダーは、分野横断チームの管理、部門間のサイロ排除、リアルタイムの更新入手、情報に基づく意思決定に必要なデータの可視化に苦労しています。しばしば矛盾する要件に対応しながら、革新的な製品を納期までに提供する必要があります。MODSIM のアプローチは、エキスパート、ノンエキスパート、マネージャーを分野横断チームとして結集し、設計プロセス全体を俯瞰して真価を発揮します。MODSIM の全メリットをすぐにご確認ください。
企業で MODSIM
3DEXPERIENCE プラットフォームを活用した製品開発の強化をご確認ください。MODSIM を使用して設計プロセスの初期にシミュレーションを統合することで、プロトタイプ作成コストとリスクを削減できます。これにより、設計のやり直し回数が減り、認証を取得し、市場参入までの時間を短縮します。
シミュレーションプロセスの自動化
- 設計更新の自動化
- パラメトリック設計スペースの探索
- 統合シミュレーションプロセスフロー
設計更新の自動化
MODSIM プロセスでは設計更新を自動化するため、最初からやり直す必要はありません。また、以前の設計を再利用して製品ファミリーを作成することもできます。この動画では、電動モーターのパフォーマンスからマスマーケットに至るまで、極めて大きな設計変更を、手動変更をほとんど入れずにほぼ自動で実施する様子を示しています。 まず、車両の要件を高く設定します。それがEVユニットのシステム要件に転送されます。それをさらに、EVユニットのシステムモデルパラメーターに転送後、モデルを更新しました。これで、シミュレーションとテスト結果が更新されました。このテスト結果は、車両の要件を更新するプロダクトマネージャーに戻されます。このワークフローには 、すぐに使用できる自動シミュレーションのテンプレートもあります。このテンプレートは、シミュレーションの専門知識がほとんどない設計者や、まったくの初心者でも使用できます。
パラメトリック設計スペースの探索
製品が複雑化する中、シミュレーションで製品の検証時間を短縮することで、最高の革新的な技術ソリューションを見つける時間が増えます。MODSIMは、パラメトリックな設計空間探索を可能にする、他に類を見ないソリューションです。設計変数の指定と設計空間の定義のみで、最適化した設計を取得できます。このシステムでは、設計空間内のすべてのポイントを自律的に構築し、最適な設計を特定するシミュレーションを実行します。この例では、MODSIM プロセスで自動化したパラメトリック設計空間により、数回のクリックで自転車の剛性を最適化する方法を示しています。
統合シミュレーション・プロセス・フロー
MODSIM は、モデリングとシミュレーションを最も効率的に進めるアプローチです。単なる CAD と CAEの連携を超えた、真の統合環境を提供します。深く連携して大衆化したプロセスを提供し、BOMに連携した CAE を実現します。この統合には、CAE のプリ・ポスト処理も含みます。シミュレーション実行に必要なすべてのデータと結果データが 1 か所にあり、より多くのデータを保存できます。掲載動画では、車両全体のPowerFLOW シミュレーションを大衆化し、Engineering BOM とつながる様子を示しています。
デジタルエンジニアリングの変革
- 製品開発を加速
- 革新的なコンセプト開発
- 体系的で大衆化したシミュレーションによる効率性
製品開発を加速
MODSIM ベースのプロセス実装による最も顕著な影響は、これまでの手動タスクが完全に自動化されることです。つまり、より迅速に実行できるということです。例えば、自動化プロセスを大幅に高速化して、新しい電気自動車のバッテリーパックの開発時間を短縮できます。
合理化された MODSIM プロセスは、パラメーター化したシステムモデルと、3DEXPERIENCE プラットフォーム内の高度なアプリケーション(Layered Product Design、Material Homogenization、Concept Structure Engineering、Visual Scriptingなど)を用い、異なるプラットフォーム、地域、セルタイプをまたぐバッテリーパック設計開発を加速します。
革新的なコンセプト開発
MODSIM プロセスは、熟考を重ねた創造性の高い設計が可能です。設計者は、CATIA と SIMULIA のアプリケーションを使用して、3DEXPERIENCE プラットフォームの構想段階で設計を作成して検証できます。Imagine and Shape や Natural Sketch などの CATIA ツールを使用すると、エンジニアは簡単にスケッチできるほか、追加作業なしに CAE 対応モデルを作成できます。設計者は、高度で直感的なシミュレーションアプリケーションと組合せることで、早期の構想段階で設計を検証し、実現可能性を調べることができます。設計者は、高度な流体シミュレーションを実行して、空力性能を簡単に調べることができます。また、モジュールライブラリーを使用して構造モデルを作成し、構造シミュレーションで曲げ、剛性、衝突インパクトなどを設計でチェックできます。
MODSIMにより、設計者は設計の実現性に確信を持ちつつ、安心して革新的なアイデアを形にすることができます。
体系的で大衆化したシミュレーションによる効率性
プロセスは、設計者とエンジニアが同じデータを使って作業し、設計の共有、コラボレーション、妥当性確認、検証すべてを同じ環境でシームレスにできるため、より効率的です。モデルの自動選択と作成、自動更新、トレーサビリティ、再利用、ライフサイクル管理の MODSIM プロセスを、数万ものプロセスに拡大することは可能でしょうか?可能だとしたら、その実現方法はどのようなものでしょうか?その答えは「イエス」です。自動化・大衆化した体系的なシミュレーションシステムを使用できます。これには、Engineering BOMに関連付けて動かすウィジェットを使用し、グループ、部門、チーム全体でシミュレーション用に標準化したビューを作成します。デザインに大幅な変更があっても、このシステムは正常に動作することを実証済みです。より多くのプロセスを含むシステムを構築しても、再利用性、トレーサビリティ、ライフサイクル管理をすべて自動処理することがわかりました。このシステムは、人工知能と機械学習を活用する設計とエンジニアリングの未来に備えとなります。
MODSIM - どこで使われているか
- CATIAでMODSIM
- SOLIDWORKSでMODSIM
- CATIA V5でMODSIM
CATIAでMODSIM
CATIA を従来の 3D CAD (コンピューター支援設計)からモデリングとシミュレーションを融合する認知拡張設計へ、新たな次元に進化します。
CATIA で知識、ノウハウ、実証済みテクノロジーを活用して設計を自動化し、構想段階からパフォーマンス重視の設計アプローチをサポートします。この強力な組合せで企業がイノベーション戦略を実行し、より持続可能で市場をリードする製品を形作ることができます。
SOLIDWORKSでMODSIM
MODSIM は、 3DEXPERIENCE® プラットフォーム上にある単一のユーザーエクスペリエンスの中で、共通データモデルのモデリングとシミュレーションを統合します。製品開発プロセス全体を考慮し、既存部門のサイロ解消が目的です。
MODSIM は、単なるシミュレーション主導の設計ではありません。要件定義からアーキテクチャ設計、検証から認証取得、製品開発からプログラム管理に至るまで、設計探索、プロセス、自動化、変更管理、コラボレーションを含む製品開発プロセス全体をシミュレーションが推進することを可能にします。
CATIA V5でMODSIM
設計とエンジニアリングの環境は急速に進化しています。CATIA V5 と MODSIM アプローチを活用すると、製品開発プロセスはどのくらい加速するでしょうか?
クラウドサービスでCATIA V5 のパフォーマンスを拡張でき、コラボレーションが向上し、最終的にプロセスを中断することなく、市場投入までの時間を短縮します。
お客様事例
SIMULIA MODSIM ソリューションを活用し、設計とエンジニアリングのプロセスを効率化している先進企業の事例をご覧ください
継続的にクリーンな車を追求し、開発期間を大幅に短縮するためには、CAD と CAE が密統合し、CAE による予測に対する確信を高めることが必要です。Jaguar Land Rover では、3DEXPERIENCE をエンジニアリングの中核基盤として導入することに多額の投資をしてきました。このプラットフォームは、私たちが必要とするシミュレーションに密統合と確信をもたらすと思います。
さあ、始めましょう
モデリングとシミュレーションが統合した世界は変化しています。MODSIM で一歩先を行く方法を見つけましょう。
MODSIM に関する FAQ
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SIMULIA のソリューションの詳細
組織の規模の大小を問わず、シームレスなコラボレーションと持続可能なイノベーションに、当社のソリューションがどう役立つかについて、SIMULIA の担当技術者がご説明します。
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