エンジニアリング・データ管理とは?

エンジニアリング・データ管理(EDM)は、あらゆる分野にわたる重要なエンジニアリング情報を効果的に活用しようとする企業の基盤となるものです。包括的な EDM フレームワークを採用することで、安全なデータ取得、ストレージ、共有、検証、処理を日常業務として行い、長期的な効率性、コンプライアンス準拠、イノベーションが可能です。

EDM ソリューションは、自動化と一元化されたデータ・リポジトリによって大幅な効率化を実現し、データ検証や変更管理などのタスクを合理化します。これにより、手戻りやエラーのリスクが軽減され、付加価値のない作業が最小限に抑えられるため、チームは設計のイノベーションや計画といった戦略的取り組みに注力できます。

3DEXPERIENCE プラットフォームは、情報の一元化、ワークフローの自動化、部門横断のコラボレーションを同じ汎用環境で可能にすることで、次世代のエンジニアリング・データ管理を提供します。このように統合されたデータ管理アプローチにより、精度の向上、アクセシビリティの向上、安定したバージョン管理が可能です。チームとプロセスをリアルタイムで接続できる 3DEXPERIENCE は、製品開発を加速し、イノベーションを促進します。

エンジニアリング・データ管理の主な利点

データ統合

EDM は、複数のデータ・ソースをシームレスに統合し、組織全体で最新の情報を統合して表示できるようにします。

拡張性

EDM システムは、組織のニーズに合わせて拡張でき、パフォーマンスや信頼性を損なうことなく、増大するデータに対応します。

高度な解析

組み込まれた解析ツールにより、複雑なデータセットの処理、実用的なインサイトの生成、トレンドの正確な予測が可能です。

データ・セキュリティー

暗号化やロールベースのアクセス権など、堅牢なセキュリティー対策により、データを不正アクセスや漏洩から保護します。

カスタマイズ可能なワークフロー

EDM システムでは、特定の運用プロセスや固有のビジネス要件に合わせて柔軟なワークフロー設定ができます。

持続可能性におけるエンジニアリング・データ管理

環境に配慮したイノベーションの推進

環境に配慮するには、リソース消費を追跡して削減する高度なデータ解析が必要です。最新のエンジニアリング・データ管理システムには高度な指標が組み込まれていて、製品のライフサイクル全体にわたり、カーボン・フットプリント、エネルギー使用量、材料消費量を測定します。

企業は人工知能(AI)を活用して膨大なデータセットを解析して、環境に配慮した製品開発プロセスと持続可能な設計選択の機会を明らかにできます。たとえば、予測解析により、生産ラインで可能性のある廃棄物削減の戦略を特定すると同時に、リソース割り当てを最適化できます。

リアルタイムの監視機能で、オペレーションを迅速に調整して、環境への影響を最小限に抑えることができます。再生可能なエネルギー使用の追跡から、水消費パターンの測定まで、これらのシステムは収益性の高いオペレーションを維持しながら、持続可能性目標を達成するための基盤となります。

持続可能性の点を見ると、新しい製品やサービスが環境に影響を及ぼす意思決定の 80% は設計段階で、通常は従来の測定方法を使用して行われます。製品開発プロセスの後半でこの情報を入手して、環境への影響に対処するには、非常にコストのかかる変更が必要になります。

Stéphane DECLÉE

ダッソー・システムズの ENOVIA 最高経営責任者

エンジニアリング・データ管理のさまざまな業界での活用事例

いろいろな業界にわたり、データを一元化してドキュメント管理を最適化することで、EDM が効率、正確さ、コラボレーションをどのように強化しているかをご覧ください。

エンジニアリング・データ管理による運用パフォーマンスの変革

高度なエンジニアリング・データ管理ソリューションが、どのように企業を正確さ、コンプライアンス、イノベーションのリーダーへと変革するかをご覧ください。 

BOM 管理

BOM を正確にして、コラボレーションを促進し、すべての製品ライフサイクル段階でコンプライアンスを維持します。

製品リリース管理

製品リリースを合理化して効率を高め、市場への対応を促進します。

製品データ管理

製品データを一元化して、精度を強化し、コラボレーションをサポートし、エラーを最小限に抑えます。

製品コスト管理

リソースを最適化し、戦略的な意思決定をサポートし、製品供給のすべての段階で競争力を強化することで、財務目標を一貫して達成します。

原材料管理

原材料を効率的に管理して、廃棄物の削減、品質基準の維持、規制への準拠ができるようにします。

コンフィギュレーション管理

単一の構成可能なプロダクト構成に基づくバリアントや製品進化にプロダクト・データをどう再利用するかを最適化することができます。

ドキュメント管理

管理対象のドキュメントの定型的な作成、リビジョン、承認、管理、保存、配布を実施します。

分類管理

分類を標準化して、組織を強化し、ワークフローを合理化し、システム間の一貫性を確保します。

ソフトウェアのリビジョン管理

ソフトウェアのリビジョンをシームレスに追跡して、製品開発における正確性とコンプライアンスを確保し、コラボレーションを向上させます。

使用事例: エンジニアリング・データ管理を使用して優れた価値を引き出す

エンジニアリング・データ管理の既存のソリューション

製品ライフサイクル管理

EDM は PLM システムの基盤です。ライフサイクル全体にわたって製品データ管理の統合フレームワークを作成します。これにより、トレーサビリティー、変更管理、コラボレーションが強化され、開発、製造、サポートの各フェーズ間移行がスムーズになります。

コラボラティブ・メカトロニクス・エンジニアリング

EDM はリアルタイムのコラボレーションを促進します。チームが団結して作業して、情報に基づいた意思決定ができます。このアプローチにより、製品開発の俊敏性が向上し、イノベーション加速するため、設計サイクルの短縮と、進化する市場の需要を満たす製品提供に役立ちます。

エンジニアリングから製造までを合理化

EDM はさまざまな分野にわたって、エラーや手戻りを削減してシームレスなデータ・フローを可能にします。機能面のサイロを解消することで、市場投入までの時間を短縮し、変化する顧客ニーズに迅速に対応できるようになります。 

エンジニアリング・プロジェクト管理を変革

担当チームは EDM を使用して、潜在的なリスクを早期に検出し、ワークフローの効率を高め、プロジェクトのあらゆるフェーズを明確にできます。このメソッドは、遅延を減らし、説明責任を強化し、リソース使用率を最大化するため、プロジェクトをスケジュール通りに完了できます。

エンジニアリング情報管理とバーチャル・ツイン・テクノロジー

製品開発の大変革

エンジニアリング・データ管理とバーチャル・ツイン・テクノロジーの統合により、製品開発プロセスが大きく変革しています。エンジニアはバーチャル・ツイン・エクスペリエンスを使用して、物理的な製品やシステムのデジタル・レプリカを作成し、リアルタイムのシミュレーションと解析ができます。EDM のデータ管理を使用したバーチャル・ツインのシミュレーション機能を活用することで、製品ライフサイクル全体を通じてイノベーションの加速、製品品質の向上、情報に基づいた意思決定ができます。

さらに詳しく

以下のコンテンツで、エンジニアリング・データ管理についてさらに詳しくご覧いただけます。

エンジニアリング・データ管理の主要なビジネス価値

データベース・アクセスの一元化

エンジニアリング・データ管理システムは、すべてのエンジニアリング・データをアクセス可能な 1 つのリポジトリに統合し、チームが重要な情報を迅速に検索して利用できるようにします。

コラボレーションの向上

このシステムは、部門間でデータ共有機能を強化し、すべての関係者が最新の情報を利用できるようにすることで、コラボレーションを向上させします。

設計とプロセスの最適化

合理化されたデータ管理が、冗長な作業を最小限にして、データ主導の意思決定ができるため、設計と運用のプロセスが効率的になります。

法規制コンプライアンスの保証

エンジニアリング・データの安定した追跡と保存により、業界標準や規制へのコンプライアンスを維持し、リスクを軽減し、運用の整合性を確保できます。

お客様活用事例

業界をリードする企業による、当社の PLM ソリューションの活用事例

SABCA

SABCA ではダッソー・システムズのプラットフォームを採用してから、エンジニアリング・チームと製造チームが連携して、ワークフローを一元化し、重要な情報へのアクセスをシンプルにすることが簡単になりました。今では、エンジニアはコア・タスクに集中して、お客様固有の要件を満たす非常に複雑なアセンブリーを開発できます。

最先端のソリューションを選択することは不可欠でした。今後 10 年間かそれ以上、依存するものですから。ダッソー・システムズのプラットフォームは非常に拡張性が高く、将来も利用範囲が広がりそうです。

Miguel Laduron 氏

SABCA 社の親会社である Orizio Group 社の CIO

エンジニアリング・データ管理に関する FAQ

その他の情報

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組織の規模の大小を問わず、シームレスなコラボレーションと持続可能なイノベーションに、ダッソー・システムズのソリューションがどう役立つかについて、ENOVIA 担当技術者がご説明します。

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