SIGMA Clermontは、現在および将来にわたって科学的な課題に対応する重要なスキルおよびノウハウを学生が習得するために、業界をリードするツールおよび技術を使用して、将来を担うエンジニアを育成しています。
お客様活用事例
京都工芸繊維大学 Grandelfinoの成功事例
京都工芸繊維大学のGrandelfinoは、学生主体でフォーミュラカーの設計・解析・製作・走行、さらにはチーム運営までを担うレースである「学生フォーミュラ」に挑戦しています。学生フォーミュラは、単に車両の速さを競うだけでなく、設計力、開発プロセス、チームのコラボレーション、プロジェクトマネジメントまでを含めて評価される、実践型のエンジニア育成の場です。
同チームは、この競技への挑戦を通じて、実社会で求められるエンジニアリング力とチーム開発力の双方を高めることを目指してきました。その取り組みの中で、Grandelfinoは学生フォーミュラ日本大会において2022年から2025年の間で4連覇を達成し、今後も勝利を重ねていくことを目指しています。
本大会は毎年、新たな学生チームによって構成され、車両の設計・解析・製作から運営に至るまで、すべてを主体的に担っています。
Grandelfinoは単年度の成果にとどまらず、次世代へと継承されるチーム体制の構築にも重きを置いています。
Grandelfinoチームは、過去4年間にわたりフォーミュラSAE日本大会で優勝を果たしています。フォーミュラSAE日本大会における4年連続優勝という成果は、同チームの育成体制が確実に機能していることの証です。その一方で、設計や解析の高度化が進むにつれ、チーム開発ならではの課題がより顕在化してきました。
こうした課題の背景には、チームの人数の多さや、役割の細分化に加え、チームリーダー、プロジェクトマネージャー、技術リーダーなど、産業界のプロジェクトに近い体制で運営されていることにあります。
設計や解析を効率的に推進するためには、誰がどのような判断を行ったのか、その背景を含めて前年度のメンバーも含め、チーム全体で共有できることが不可欠でした。
チームは2020年頃から3DEXPERIENCEプラットフォームを採用。CADとCAEが同じ環境で扱えることで開発スピードや設計品質に期待が持てたこと、そして何よりクラウドでデータが統合されることで、代替わり時の引継ぎ負荷が大幅に軽減されると考えたといいます。
「クラウドベースの管理ということで、過去のデータや、最新の設計データをすぐに反映することができ、また過去の解析結果なども参照しながら最新の解析に反映していくということもかなりスムーズに行われていると感じています。」と、ボディの設計を担当する池乘咲汰氏は語ります。
Grandelfinoの2024年チームリーダーである加地一葉氏は情報共有のあり方がチームの成果に直結すると確信しています。「3DEXPERIENCEプラットフォームではクラウド上にデータが統合されていますし、加えてCAD、CAEが同じ環境で扱えるので、設計品質の向上や、作業効率の向上を見込めると考えました。」と話します。

3DEXPERIENCEはクラウドベースの管理ということで、過去のデータや、最新の設計データをすぐに反映することができます。
3DEXPERIENCEプラットフォームの導入により、設計と解析を分断せず、一連の流れとして捉えられるようになったことで、Grandelfinoの開発プロセスは大きく変化しました。これにより、検証のスピードと質の両面が向上したといいます。また、コラボレーション環境のもとで、学生はより俊敏に対応できるようになり、自動車業界ですでに活用されているソリューションへの理解も深めることができました。チームにとって大きな転換点となっています。
さらに、ツールの操作やその背景にある概念を学生自身が主体的に学べる環境が整ったことで、経験値の差を補いやすくなりました。その結果、学生は設計やエンジニアリングそのものにより集中できるようになり、コラボレーションの価値を最大限に活用できるようになったといいます。
「CADとCAEをシームレスに切り替えながら解析を重ね、常に最新の設計データを反映することで、実際の組み立てや製作スケジュールの短縮につなげることができました。」と、池乘氏は語ります。「設計意図を保ったまま解析に反映することで、試行錯誤の回数を増やしながらも、全体の検証サイクルを短縮できるようになりました。」
クラウド上で設計データを一元管理できるようになったことは、チームの日々の開発作業にも変化をもたらしました。以前はファイルベースでデータ共有を行っていたため、最新データが分からなくなることもありましたが、リアルタイムに更新されることで間違いが減ったといいます。
「挙動解析を含む、より詳細な解析についても、3DEXPERIENCEプラットフォームを活用しながら進めていきたいと考えています。」と、Grandelfinoの2025年チームリーダーである大西隆成氏は話します。
こうした環境は、設計作業の効率化だけでなく、チーム全体で考え、議論する文化の定着にもつながっています。加地氏は「すべての情報がクラウド上で統合されていることは、メンバー数の多い当チームにとって、情報共有の面で非常に大きな利点でした。」と加えます。
挙動解析を含む、より詳細な解析についても、3DEXPERIENCE プラットフォームを活用しながら進めていきたいと考えています。
学生フォーミュラ日本大会4連覇という結果は、Grandelfinoが築いてきたチーム開発の仕組みが実を結んだ証といえます。しかし、現在のチームリーダーである大西氏は、この成果を一つの通過点として捉え、すでにその先を見据えています。
今後も勝ち続けるために、チーム運営の在り方に加え、設計・検証プロセスそのものを進化させていく考えです。
「そのために、チーム運営をより良くしていくことに加え、これまで十分に取り組めていなかった解析の部分、特に空力解析や構造解析をさらに磨いていきたいと考えています。」と大西氏は話します。
こうした技術的な挑戦は、競技成績の向上だけを目的としたものではありません。分析やシミュレーションを通して考え、判断し、説明する力を養うことは、学生一人ひとりの技術レベルを引き上げ、卒業後の進路や社会での活動にもつながっていきます。
Grandelfinoが見据えるのは、「勝つチーム」であると同時に、次のステージへ進む人材を育てる場であり続けることです。
Grandelfinoは、京都工芸繊維大学の学生フォーミュラチームです。学生自身が車両の設計・製作から部品調達、スポンサーとの調整まで、すべてを担っています。自らフォーミュラカーを作り上げる過程を通じて、ものづくりやチーム運営の基本を日々学んでいます。
詳細はこちら: https://www.grandelfino.net