人体を理解する新たな方法
目に見えないもの(手術前の段階での手術結果や、薬がどのように病気に影響を及ぼすのか等)を視覚化、テスト、理解、予測できた時に、人体に関する強力なナレッジがもたらされます。
下記リンク先のページ、「Meet your virtual twin」にて、脳と心臓の 3Dの解剖学的構造に焦点を当てたバーチャルツインをご体験ください。
医療機器や製薬のメーカーは、治療に用いられる製品や、医薬品を製造する機械、治療法などの開発・改善にデジタルツインを用いることができます。
実際に生産を開始する前に、コンピュータ上でシミュレーションしてコンセプトを評価できるため、革新的なアイデアをサステナブルに実現することができます。
デジタルツインは医療施設にも適用することができます。病院のデジタルレプリカは、従業員と患者にとってより安全でセキュアな環境を作るのに役立ちます。
デジタルツインのこのような、持続可能なイノベーションに対する貢献により、デジタルツインのテクノロジーの力を認めるビジネスリーダーが増えています。
しかし、私たちダッソー・システムズは、単に基本的な 3Dモデリングを行う以上のことができます。未来の挙動を予測し、各患者に特化した、より正確でカスタマイズされた治療や薬を提供することができます。それを可能にするのが、ダッソー・システムズ独自のバーチャルツインです。
デジタルツインはかなり単純な概念であり、物理的なオブジェクトのバーチャルなレプリカです。デジタルツインは問題を指摘することはできますが、問題の再発を防ぐ方法についての洞察は提供しません。そこで登場するのが、デジタルツインより進化した、ダッソー・システムズ独自のバーチャルツインです。バーチャルツインは、強力な機能(データの一元化、部門をまたいだコラボレーション等)を持つ3DEXPERIENCEプラットフォーム上に構築されます。
ライフサイエンス&ヘルスケア分野におけるバーチャルツインは、患者ごとの医療情報 (MRI、CTスキャン等) と、膨大な量のデータ (心臓の鼓動や、脳の機能、その他、健康に関するあらゆる種類のナレッジ)を組み合わせることで構築される、身体部位の3Dのデジタルモデルです。
つまり、各患者の健康情報の総合的なリファレンスであり、治療をより正確にし、医療ケアについてより長い期間にわたる詳細な情報を得るための総合的な視点をもたらします。また、バーチャルツインは患者ごとの解剖学的構造に基づいて構築されるため、一つの医療アプローチに対してさまざまなオプションをシミュレーションし、患者ごとに起こりうる結果をシシミュレーションできます。
そして、仮想世界であらゆる選択肢を検証できるので、医療の専門家は、患者の健康と生活の質を改善するのに最適なアプローチを見出すことができます。
2014 年のリビング・ハート・プロジェクトの立ち上げから始まった、ライフサイエンス&ヘルスケア分野におけるバーチャルツイン・エクスペリエンスは、ダッソー・システムズ独自のものであり、科学に基づいた描写をもって、極めて正確で、患者ごとに個別化されたデジタルモデルを実現します。たとえば、心臓のバーチャルツインは、心臓の組織、構造、電気生理学の理解に基づいて構築され、患者一人一人や、特定の患者集団の症状を再現するために調節でき、構造的心疾患(SHD)や血行動態の理解を助け、世界中で活用されています。
バーチャルツインがもたらすメリット
バーチャルツインには、患者がより正確な診断や効率的な治療を受けられるようになること以外にも、さまざまなメリットがあります。バーチャルツインを活用すれば、ライフサイエンス&ヘルスケア業界の専門家や研究者はもちろん、患者自身も、コンピュータ上で目に見えない物事を「見て」、テストし、理解し、予測を立てることができます。
また、仮想世界と現実世界で生じるデータを継続的に取り込み、分析することで、ライフサイエンス&ヘルスケア業界を、より効率的、革新的、持続可能なものにすることができます。
バーチャル・テクノロジー、分析、AI(人工知能)を組み合わせることで、医療に大変革をもたらすことができる状況が整います
世界のさまざまなチームの研究を結び付けることで、DNAから細胞、臓器、体全体に至るまで、複雑な人体の理解が高まります。
実際に製造する前に、モデリングや生物学的にリアルなシミュレーションを無制限に行い、人体への潜在的な影響をテスト、評価をすることで、科学的革新を加速します。
医薬品、医療機器などの製造プロセスを継続的に改善します。また、市場投入までの時間を短縮するとともに、需要の変化に応じて生産ラインを調整するためのキャパシティ・モデルを開発します。
エビデンス生成、データ管理、分散型臨床試験を通じて、患者、スポンサー、CRO(医薬品開発業務受託機関)、研究サイトなどのパートナーの臨床試験を変革します。
ダッソー・システムズは医療関連のエコシステムとパートナーシップを築き、医薬品の生産性の向上と、心臓疾患および脳疾患の治療の革新に取り組んでいます。
研究者、医療機器メーカー、医師が現在、患者の健康状態を再現して治療オプションをテストするための極めて正確な仮想モデルの開発に活用している、リビング・ブレイン・プロジェクトやリビング・ハート・プロジェクトなどのイニシアチブをご覧ください。
国連の持続可能な開発目標(SDGs)は、全ての人にとって、より持続可能で、より良い未来を達成するための世界的なガイドラインです。ライフサイエンス&ヘルスケア業界におけるバーチャルツイン・エクスペリエンスの活用は、SDGsの目標3、「あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する」の達成に貢献します。目標3に沿ったダッソー・システムズの取り組みの一例として、てんかんの手術と術後の管理の向上を目的としたEPINOVプロジェクトが挙げられます。