心不全の治療を開発するバイオベンチャーのメトセラがダッソー・システムズのBIOVIA Notebookを導入 〜電子実験ノートにより研究開発を迅速化し、設立から5年で医師主導治験第Ⅰ相を開始〜

  • IT管理の簡素化、アセットマネジメント強化の観点から、電子実験ノートを導入
  • 電子データの信頼性を担保するFDA Part11への対応が導入の決め手となり、BIOVIA Notebookを採用
  • 情報のデジタル化は開発競争をスピーディー・優位に進めるためにも有効
  • データ種を問わない柔軟性とシンプルなUIによる高い操作性がバイオベンチャーに適合

2022年6月21日

ダッソー・システムズのELN(Electronic Lab Notebooks、電子実験ノート)ソリューションであるBIOVIA Notebookを導入した株式会社メトセラ(本社:神奈川県川崎市、以下「メトセラ」)様の事例を発表いたしました。

BIOVIA Notebookは、データ記録、知的財産保護、情報共有、業務の電子化、総所有コストの全体的な削減を実現できる電子実験ノートです。パブリック・クラウドまたは CSV 対応のプライベート・クラウド環境を選択でき、小規模の導入からグローバル企業への大規模の導入まで、規模を問わずお使いいただけるソリューションです。

メトセラは心不全治療の研究開発を進めており、2021年6月より筑波大学附属病院において慢性虚血性心不全患者に対するVCAM-1陽性心臓線維芽細胞(VCF1)の第Ⅰ相医師主導治験を実施しています。メトセラの研究開発にBIOVIA Notebookがどのように活かされているのか、以下、BIOVIA Notebook導入の決め手やメリットについて事例より抜粋してご紹介いたします。

BIOVIA Notebook導入の決め手

設立当初より、社内の情報管理については極力デジタルで行う方針を立てていたメトセラは、実験結果の記録についても電子で行うことを検討していました。また、IT管理にかかるリソースやコストを抑えるためクラウド環境で利用できるソリューションを求めていました。

開発競争が激しい製薬業界において先行者利益は大きく、バイオベンチャーであるメトセラにとっては迅速な研究開発は不可欠です。そのスピードを実現できた背景の1つには効率的かつ効果的なデータ管理があります。新たな技術開発の核となる研究を進める上で、電子実験ノートは重要なピースの1つです。その上で、BIOVIA Notebook導入の決め手になった理由の1つは、FDA(米食品医薬品局)が定めた、通称Part11と呼ばれる電子記録・電子署名に関する規則「21CFR Part11(連邦法第21章第11条)」への対応です。 同社が検討を始めた頃はPart11対応の電子実験ノートが少なく、クラウドでの利用が可能かつ、規制準拠という点でBIOVIA Notebookが選定されました。更に、ALCOA原則が実現でき、データの欠損や不整合を防げるメリットとして挙げられています。

柔軟性、シンプルなUIがバイオベンチャーと高い親和性 

また、電子実験ノートの代表的な機能の1つに、低分子化合物や化学合成をわかりやすく整理できることがありますが、メトセラはバイオ医薬品やバイオアッセイにおいて多種多様なデータを記録できる使いやすく汎用性の高い製品を望んでいました。BIOVIA Notebookはノートへ自由にデータを記録できる柔軟性を有しており、画像データなどデータ量が膨大になりがちなバイオ医薬品の実験データを手軽に管理できるメリットがありました。学生時代に紙で実験データを記録していたメトセラ研究員の「使いやすい、理解しやすい」といった声が尊重され、機能、コスト、安定性、使い勝手など、あらゆる面で比較検討をする中でBIOVIA Notebookが評価されました。 

統一されたフォーマットでのデータ管理によりガバナンスの強化も実現

医薬品開発を行う企業にとって実験データは知的財産であり、アセットマネジメントの観点からも実験データの蓄積と管理は最重要課題となっています。研究が進み、会社が成長するにつれて論文作成や特許申請、薬事申請のほか、投資候補先など外部へのデータ開示を行う機会が増えてきたことに伴い、メトセラでも会社全体のデータガバナンス強化の重要性が一層増しています。電子で実験ノートを保存、管理するだけではなく、それらのデータをどのように記録するかが重要となります。メトセラでは製品が持つ機能を最大限に活用しつつ、独自の社内研修によって、表記の統一や、どのような内容をノートに記載すべきかについて社員への啓発を行い、毎年改善・強化に取り組んでいます。これによって属人化しないデータ管理が実現し、結果としてガバナンス強化にも繋がっています。

蓄積された実験データそのものが会社の資産に 

代表取締役 Co-Founder兼Co-CEOの野上健一氏は次のように語っています。「データの信頼性を担保する上でPart11対応は必要であると感じていました。ゆくゆくシステムを入れ替える手間を考えると、当初から対応しているものを採用する方が投資対効果も高いと考え、選定条件の1つとしていました。また、導入当時想像していた以上に、今になって過去の実験データを振り返る機会が多くなり、会社のアセットとしてそれらがすべて蓄積されていること自体が、まず非常に大きな意味を持っています。バイオベンチャーの価値そのものになっていると感じています。」

このように、メトセラでは、電子実験ノートの継続的な使用、社員教育などの取り組みによって、データの信頼性と価値を高め、ひいては企業価値をも高めています。昨年開始した慢性虚血性心不全患者に対するVCAM-1陽性心臓線維芽細胞(VCF1)の医師主導治験第Ⅰ相での活用はもちろん、今後のさらなる事業展開を見据える上でも同社のアセットマネジメントの要として電子実験ノートの重要度は高くなっています。

事例の詳細についてはこちらでご覧いただけます。

詳しくはこちら:

ダッソー・システムズの3DEXPERIENCE プラットフォーム、3D設計ソフトウエア、3Dデジタル・モックアップ、そしてプロダクト・ライフサイクル・マネジメント (PLM) ソリューション
https://www.3ds.com/ja/

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