ダッソー・システムズの没入型仮想現実ラボ(iV Lab)で始められたオープン・イノベーション・プロジェクト「Never Blind in VR」では、プロの世界や特にダッソー・システムズが対象とする12業界に対して、一般向けHMD(ヘッド・マウント・ディスプレイ)の活用方法を紹介します。
このトピックでは、エクスペリエンスの効果について、最小限の情報のみ紹介しています。このような新興分野において、将来的に3DSによる新たなビジネス分野の開拓に関与する可能性があります。
没入型ユーザー・エクスペリエンス(UX)の初期の成果
「Never Blind in VR」によりHMD(ヘッド・マウント・ディスプレイ)ユーザーはCAVEのメリットをすべて実現できます。しかも手ごろな価格で、セットアップも容易です。自分自身と周囲の状況を視覚的に確認し、友人と握手したり、コーヒーカップを持ったり、歩いたり、障害物をよけたりでき、最終的にはHMDの存在を忘れ、より長く装着できるようになります。
この5分間のビデオでは、市販ヘッドセットを使用するリアルタイム・3Dエクスペリエンスの構築においてさまざまな成果を共有することで、本来の目的であるFPSゲーム用途を超えることを目指しました。
課題は、こうしたエクスペリエンスでは、ユーザー自身が肉体から切り離された感覚になる傾向があり、室内の他の人や現実世界との接点を失ってしまうことです。
自動車業界や航空宇宙業界で大規模な立方体没入型ルーム(CAVE)の使用を分析した私たちは、Oculus Riftユーザーの目にリアリティの要素をもたらすエクスペリエンスを提案した結果、自分自身の体を視覚的に確認し、現実の周辺環境を認識して接触したり、室内の他の人との交流も可能にしました。
こうした成果を達成するため、ユーザーの体とその周囲の3Dポイント・クラウドを作り出す固定されたウィンドウズ用Kinectを使用しました。ポイント・クラウドの密度はそれほど高くありませんが、ヘッドセットを着けたユーザーの目から見ると、驚くほどの存在でした。
教訓と展望:オープンイノベーションの推進
私たちは、プロジェクトを初期段階からソーシャル・ネットワークやイベントで大きく公開しました。その中で、アプリケーションの構想、テクノロジーとUXの展望、プレス記事やアワードなど公開されるものが多いほど、より多くのけん引力やプラスの価値が生み出されることを学びました。これをきっかけに、私たちは研究結果をさらに公開して、こうした革新的なエクスペリエンスの採用をダッソー・システムズのお客様に呼びかけるべきだと思うようになりました。実際、ダッソー・システムズのお客様は、自社で設計、製造、販売する製品の3Dモデルを作成しているため、こうした新しいエクスペリエンスへの道は複雑ではありませんでした。