オムロンが専用PLC Setupを開発、ソリューション展開を推進
2006年10月27日、神奈川
PLM (プロダクト・ライフサイクル・マネージメント)ソリューションにおけるワールド・リーダーのダッソー・システムズ (本社 仏パリNasdaq: DASTY, Euronext Paris: #13065, DSY.PA)と、オートメーション分野のグローバルリーダーのオムロン株式会社(本社:京都市 代表取締役社長、作田 久男、以下:オムロン)は、2004年11月に発表した製造工程のオートメーション分野における提携の成果として、3次元バーチャル環境上で製造工程の最適化と検証を行うソフトウエア・ソリューション「DELMIA Automation Version 5」(以下DELMIA Automation)を、10月27日より日本国内出荷し、国内販売およびサポートを開始すると発表しました。
今回新たに市場投入するDELMIA Automationは、製造工程設計のバーチャル環境から製造現場のリアル環境まで一貫した設計プロセスをサポートするソフトウエア・ソリューションです。
従来、制御システムは現場の実設備を使って試験・調整することが必要でした。今回提供するソリューションでは、バーチャル環境を使った事前検証での作業の前倒しや設計品質の向上により、現場での試験・調整期間削減などを実現します。また、制御設計部門と機械設計部門が初期段階から情報を共有しながら並行して設計と検証を進めることで、設計手戻りゼロを実現するものです。さらに、バーチャル環境上で作成したPLC(プログラマブル・コントローラー)プログラムやI/O制御情報を実際のPLCにダウンロードすることができます。
実際の設備製作前に、仮想機器を用いたPLCプログラムの変更内容評価と、実際のPLCを使った事前性能検証を通じて早期にPLCプログラムのバグやエラーを検出することは、ユーザーに生産ラインの立ち上げや装置の開発期間の大幅な短縮と、設計エラーリスクの回避による生産性や利益の向上をもたらします。仮想機器を使った動的干渉の有無の検出や異常検出ロジックの動作チェックがPLC制御のレベルで可能になるということは、ユーザーにおける3D設計資産の活用が大きく広がることを意味します。
これらにより、製造現場における製造工程の垂直的な立ち上がりが実現し、商品の市場投入までの期間を短縮することが可能となります。
なおDELMIA Automationは以下の標準構成パッケージ及びその他オプション製品から成ります。
- 仮想機器を定義するソフトウエア: DELMIA Automation SmartDevice Builder 2
既存の3D CADモデル(CATIA、SolidWorks、Solid Edgeその他)を読込み、キネマティクス/タスク(機構動作)、機器内部動作、電気I/O、アクチュエーター機能やセンサー機能を定義可能。また、DELMIAロボットタスクを読込み可能。 - 仮想機器とPLCを連携するシミュレータ: DELMIA Automation Controlled System Simulator 2
実際の装置を構築する前に、仮想機器を使って、PLC制御プログラム全体をシミュレート、デバッグ、検証が可能。 - 制御設計とプログラム開発環境: DELMIA Automation Control Studio 1
DELMIA Automation上での開発用で、IEC61131-3規格の標準言語に準拠したエディタ、コンパイラおよびデバッガ機能を含む。
制御機器市場でのトップシェアを持つオムロンは、自社PLCなどのオートメーション機器とDELMIA Automationを統合するために、CATIA V5、DELMIA V5の共通開発環境である「CAA V5」を使い、「OMRON PLC Setup」を開発しました。OMRON PLC Setupは、DELMIA Automation Control Studio 1を使って開発したPLCプログラムを、自社PLCにインタフェースするためのソフトウエアです。これによって、バーチャル環境で作成したPLCプログラムやI/O制御情報を、実際のPLCにダウンロードすることが可能です。従来、バーチャル検証用の開発と実際のPLC用プログラム開発の二重の手間になっていたところ、DELMIA Automation上で一度開発すれば良くなるため、準備工数を大幅に削減できます。
CATIAとDELMIA Automationが共通のV5プラットフォームで開発されているため、本製品は、シームレスな3Dデータ連携の恩恵を、ダイレクトにオートメーション機器のリアル環境までもたらす唯一のソフトウエア・ソリューションです。さらには、リアル環境の現実の制約条件や現場のノウハウを、バーチャル環境の3Dデータとリンクするカスタマイズ環境を構築すれば、設計品質と製造品質のさらなる向上をもたらします。
オムロンは、DELMIA Automationの国内販売、サポートに加え、世界的に事業展開する自動車、電機、半導体、食品分野などの顧客企業を対象に、制御機器、DELMIA Automationを含むこれらソフトウエアの技術支援およびエンジニアリングサポートのトータルソリューション事業を推進します。これにより顧客企業の価値を高め、業務ニーズに合致する幅広いソリューションの提供と、製品設計から製造・生産設計に至る各工程の期間短縮と製造品質向上にさらに貢献します。
オムロン株式会社 について
オムロン株式会社(本社:京都市 代表取締役社長 作田 久男)は、オートメーション分野のグローバルリーダーです。オムロンは、創業1933年、従業員数、35カ国、28,000人以上、インダストリアルオートメーション、電子部品、ソーシャルシステム(自動改札機、自動券売機および交通制御)およびヘルスケアのあらゆる分野の顧客に商品とサービスを提供しています。オムロンは、日本(京都)、アジアパシフィック(シンガポール)、中国(上海)、欧州(アムステルダム)そして米国(シカゴ)の5つの地域本社を置いています。
オムロン株式会社ウェブサイト:
http://www.omron.co.jp (日本語) http://www.omron.com (英語)
DELMIA について
DELMIAは、デジタル・マニュファクチャリング・ソフトウェアの製品ブランドです。生産工程の定義、計画、作成、モニタリング、制御から工場の作業現場のシミュレーションまで3Dで生産システムを視覚的に検証し、最適化するためのソフトウェアを包含しています。初期のプロセスプランニング、組立シミュレーションから溶接ライン、ロボット、Cellプログラミングのモデリングを経て、生産施設・設備の定義にいたるまでをカバーし、生産効率の向上を支援します。
ダッソー・システムズ について
ダッソー・システムズは、3DとPLMソリューションにおけるワールド・リーダーとして、80カ国以上、100,000以上のお客様にそのバリューを提供しています。1981年から3Dソフトウエア市場におけるパイオニアであるダッソー・システムズは、業界プロセスを支援するPLMアプリケーション・ソフトウエアおよびサービスを開発・販売し、コンセプト設計からメンテナンス、リサイクルに至る全製品ライフサイクルにおける3Dビジョンを提供します。提供内容は、バーチャル製品設計のためのCATIA、3Dメカニカル設計のためのSolidWorks、バーチャル・プロダクションのためのDELMIA、バーチャル・テスティングのためのSIMULIA、グローバルなコラボレーティブ・ライフサイクル・マネジメントのENOVIA、オンライン3Dライフライク・エクスペリエンスの3DVIAが含まれます。ダッソー・システムズの株式はユーロネクスト・パリ(#13065, DSY.PA)に上場しており、ダッソー・システムズの米国預託証券(ADR)は、米国の店頭市場(OTC)で取引が可能です(DASTY)。その他詳細については次のサイトをご覧ください:URL: www.3ds.com (英語)、 www.3ds.com/ja (日本語)
CATIA、DELMIA、ENOVIA、SIMULIAおよび3DVIAは、ダッソー・システムズ(Dassault Systèmes)もしくはダッソー・システムズの子会社の米国およびその他の国における登録商標です。
その他の製品名および会社名は、それぞれ各社の商標または登録商標です。