PT United Tractors Pandu Engineering社

インドネシアのPT United Tractors Pandu Engineering社は、エネルギー物流事業向けの重機エンジニアリング製造の最大手企業です。PT United Tractors Pandu Engineering社は、3DEXPERIENCEプラットフォームを使用して、設計プロセスのデジタル化、データ重複の排除、最新バージョンの信頼できる唯一のデータソースに基づく作業など、既存の社内プロセスを改善しています。
 

持続可能なイノベーター

エネルギー物流ビジネスにおいて、エネルギーの制約を克服して低炭素の未来を切り拓くには、サプライ・チェーンも歩調を合わせて進化させる必要があります。これには、高品質な革新的な重機技術に基づき、より効率的、効果的かつ持続可能なオペレーションの実現が必要です。

インドネシアのPT United Tractors TBK Groupの子会社であるPT United Tractors Pandu Engineering(UTPE)社は、37年以上にわたってエネルギー物流セクターで必要とされる重要な機械を供給しています。エネルギー物流ビジネスに重機を供給する最大手サプライヤーの1社である同社は、カスタマイズ製品の設計能力、製造の柔軟性、アフターサービス保証により、お客様から高く評価されています。

同社は、信頼性、生産性、環境にやさしく、迅速かつ納期厳守の重機械製品の製造を可能にする高度な技術と、製造およびエンジニアリングシステムを組み合わせる能力で、高い評価を築いてきました。これらはすべて、持続可能な価値として、卓越した製品とサービス品質を顧客に提供して、サステナブルな生産性と成長を達成するという同社のミッションに基づいています。

当然のことながら、最先端技術の導入と開発が将来のビジネスにとって不可欠です。

「当社の発展に最新の技術が重要な役割を果たしており、お客様から頂戴する多くのカスタム製品設計の依頼を短期間で処理するために役立っています。」と、UTPE社の設計エンジニアリング部門責任者であるAnnas F. Habibie氏は、語ります。「信頼できる設計ツールを使用することでしか、これを達成できないと気づきました。」

当然の選択

同社は長年、設計ソフトウェアを使用して製品開発を行ってきましたが、最近までデータ・ストレージが集約できていないことが課題となっていました。

「その結果、コンポーネントのファイルが適切に管理できず、モデリングが重複したり、検索に時間がかかったり、修正図面の整理が困難なったしたため、設計レビジョンに一貫性が保てず、誤りが発生していました。」と、Annas氏。

UTPE社は、インドネシアのテクノロジー・パートナーであり、ダッソー・システムズのソフトウェア・リセラーであるPT Citrathirza Anugerahjaya(PT Citra)に対して、次の項目を推進するソリューションを提案しました:

  • 製品設計を加速させて、より多くのカスタム製品を製造
  • データ管理を改善して、増え続ける製品バリエーションと製造するコンポーネントをより適切に処理
  • CADベースの部品番号データと、同社のSAP ERPシステム内の実データを同期
  • 設計段階で発生した情報の誤りを生産段階へ伝えることを最小限に抑える
  • マーケティング部門の需要に適切に対応する

UTPE社が選択するソリューションは、既存の設計ソフトウェアやERPシステムとシームレスに統合できる必要がありました。ダッソー・システムズのソリューションの長年のユーザーとして、UTPE社がソフトウェアの利用を拡大することは、多くの点で理にかなった判断でした。PT Citraは、同社のニーズを徹底的に検証して、 3DEXPERIENCE®プラットフォームを推奨しました。

3DEXPERIENCEプラットフォームの最大のビジネス・インパクトは、主にエンジニアリング部門から得られます。特に、カスタム設計でありながら大量生産品を販売するマーケティング部門と歩調を合わせるのに役立っています。」

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Annas F. Habibie氏
UTPE社 設計エンジニアリング部門責任者

設計を加速

UTPE社は、お客様固有の要件に対応しながら、製品開発と生産を加速させる新たな方法を模索していました。設計者やエンジニアが既存の設計の再利用し、変更時の効率的な連携ができ、増え続けるコンポーネントや部品ライブラリのより適切な管理を行ったうえで、設計プロセスの簡素化が必要があると、UPTE社は認識していました。

3DEXPERIENCEプラットフォームは、エンジニアが必要なコンポーネントを容易に利用できる、集中型のデータ・センターを備えるため、製品の設計をより迅速かつ正確に行うことができます。」と、Annas氏は述べます。

SOLIDWORKS 3D CADソフトウェアとENOVIAを使用して、3DEXPERIENCE プラットフォーム上で連携的なイノベーションを実現したことで、設計変更にも容易に対応できます。

「トレーラー製品の設計プロセスにはでSOLIDWORKS設計ソフトウェアを使用し、ENOVIAを使用してソリッド・モデルのデータを管理しています。」と、Annas氏。「SOLIDWORKSの最も効果的で便利な機能は、トップダウン技術で、既存の設計リファレンスを使用して設計変更に素早く対応できるようになったことです。このアプローチは、スケッチ・プロセスで描いたファレンス・フィールドとラインに、さらに変更が加えられた場合も維持できるため、設計プロセスを加速させています。」

エンジニアがお客様の要望に対応しながら、社内でより付加価値の高い活動に取り組む時間を確保できるようになりました。例えば革新的な新製品開発に集中的に取り組んだり、高品質な3D画像をマーケティング部門と共有して進行中の商談に貢献できます。「3DEXPERIENCEプラットフォームの最大のビジネス・インパクトは、主にエンジニアリング部門から得られます。特に、カスタム設計でありながら大量生産品を販売するマーケティング部門と歩調を合わせるのに役立っています。」
 

3DEXPERIENCEプラットフォームでのトレーラーの仮想的なシミュレーション

データの明確性

UTPE社はENOVIAを使用することで、全社での効率的な情報共有、設計の再利用、コンポーネントの容易な検索、設計の変更に伴う分野横断的な連携を実現する、一元化したデータベースを手に入れました。

バルク材、油圧、機械、ランニング・ギア、アダプタ継手部品など、増え続ける部品ライブラリの管理を改善することも同社にとって重要な目標でした。ENOVIAのコラボレーション・ソフトウェアを利用して、エンジニアが製品開発プロセス全体を通じて、新たな設計の開発や設計変更に必要な情報に適切なタイミングでアクセスできるようになりました。

3DEXPERIENCEプラットフォームにより、エンジニアが必要なコンポーネントを検索する時間が短くなりました。また、設計の修正時に、影響を受ける設計の全領域とサプライチェーンへの影響にフラグが立てられるため、エンジニアの効率的な作業にも役立ちます。そのため、正確な状況の更新を維持でき、誤りを削減し、予定通りに製品を製造することができます。」と、Annas氏は語ります。
 

CADとBOMの同期

UTPE社が3DEXPERIENCEプラットフォームを採用した主な理由のひとつは、既存の複数のCADソフトウェア環境やERPシステムとシームレスに統合できることでした。

同社は、SOLIDWORKSとENOVIAを使用しながら、CADソフトウェアとERP間で情報を同期して、部品表 (EBOM) と製造部品表 (MBOM) を自動的に作成しています。以前は時間のかかる手作業でしたが、今ではエンジニアが必要な部品と個数をCAD図面から直接正確に把握できるため、迅速かつ効率的な作業が可能になりました。また、設計者が即座に利用できる部品を確認できるため、設計および材料の効率も向上しています。

3DEXPERIENCEプラットフォームは、CADから材料リスト・データを直接処理してMBOMを自動作成できるため、プロジェクト管理が容易になっています。使用する材料種別を選別する手順もプラットフォームで行うことができ、コンポーネント計算やグループ化のスピードアップと精度向上に役立っています。この手順は以前と比べて格段にすぐれています。3DEXPERIENCEプラットフォームを導入するまでは、各アセンブリ図面を確認しながら手作業でコンポーネント計算を行っていました。」と、Annas氏。

UTPE社は現在、設計から製造までのプロセスの自動化とデジタル化を進め、将来的にはペーパーレスを目指しています。これは、社会および環境に配慮する長期的な目標と密接に関連するサステナビリティ戦略の重要な部分です。

「紙の使用を減らすことでコストを削減できると考えています。既に生産に必要な図面枚数を減らしており、今では作業現場でもペーパーレスが進んでいます。」と、Annas 氏は語ります。

長期的なメリット

UTPE社にとって3DEXPERIENCEプラットフォームの導入は、極めて重要な決断でした。同社は、当初からこのソリューションに全面的に投資していましたが、設計、部品、コンポーネントのライブラリ全体を新しいプラットフォームに移行するのは時間のかかる作業でした。しかし、UTPE社はその努力が既に成果をもたらしていると考えています。

「UTPE社は、グローバル市場で競争力を維持し続けることができるという確信しています。ビジネス・チェーンの上流で、より正確にデータを処理し、作業現場のレベルまで利用できるソフトウェアを使用しているからです。」

PT Citra社は、カスタマイズやトレーニングにより、導入後もさらに全体を通じてソフトウェアによる価値を最大限に活用できるようにUTPE社をサポートしています。UTPE社は、長年にわたって技術パートナーとしてダッソー・システムズに信頼を寄せています。

「ダッソー・システムズが提供しているデータ管理ソリューションは、当社のニーズにまさに最適です。彼らとの関係は非常に良好で、システムの導入はプロとして責任を持って行われました。」と、Annas氏は語ります。

utpe-logo

PT UNITED TRACTORS
PANDU ENGINEERING社について

PT United Tractors Pandu Engineering社は、インドネシア有数の産業、海洋、エネルギー・セクター向け重機メーカーです。1983年の設立以来、PATRiAのブランド名で事業を展開している同社は、設計のイノベーションからアフターセールスのサポートに至るまで、ライフサイクル全般にわたってサービスを提供しています。


製品:フォークリフト、トレーラー、トラック、ダンプカー、伐採用トレーラー・フォーク、コンクリート・ミキサー、タンカー、油圧ポンプ・ユニットおよびスペア・パーツ
本社:チカラン、インドネシア


詳細情報:http://www.patria.co.id/

utpe partner logo

PT Citrathirza Anugerahjayaについて

インドネシアのPT Citraは、CAD、CAM、CAE、製品データ管理、デジタル製造を含む、エンドツーエンドのビジネス・ソリューションを提供することを目的として設立されたダッソー・システムズのリセラーです。強力かつ経験豊富なチームが自動車、消費財、エレクトロニクス、金型、重機などの業界に対応して、顧客ニーズを把握しながら適切な拡張性のあるソリューションを提案および導入して、トレーニングやサポートも提供しています。PT Citraは、ビジネスにおいて顧客満足を最も重視しています。


詳細情報:http://www.caj.co.id/