HONDA LIFE CREATION CENTER

同社はダッソー・システムズの 3DEXPERIENCE プラッ トフォーム上で CATIA を活用し、創造性あふれるデザイ ンによって、人々の行動を起こさせるような美しく機能 的で独創的な製品を実現しています。

人の手だけでデザインしていた時 代から、人や機械が全く新しいデザ インを生み出す力になっている時代 になっている

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本田技術研究所ライフクリエーションセンタ
上席研究員 デザイン・ブランド戦略統括 南 俊叙氏

人々の暮らしを快適に

ライフクリエーションセンターは本田技研工業株式会社の子 会社である株式会社本田技術研究所の一事業部門であり、仕 事や暮らしを支えるパワープロダクツの研究開発を行ってい ます。ホンダのパワープロダクツは農業機械向けの汎用エン ジンから始まり、今日では単体エンジンのみならず発電機や 芝刈り機、船外機や除雪機など広い製品カテゴリーを有して おり、これまでに 1 億台を超える製品を通じて世界中のお客 様との繋がりを広げてきました。これはライフクリエーショ ンセンターが現在に至るまで、「役立つ喜びを広げたい」と いう想いを軸に、お客様ニーズにお応えする高品質な製品を 生み出してきた結果とも言えます。

さらに近年、ホンダはこれまでのエンジン製品に加え、より 暮らしに近い電動製品の開発に注力する中で、「魅力的なデ ザイン」を消費者の意識を引きつけて購入を促す重要な要素 の一つとしてとらえています。ライフクリエーションセンタ ーの上席研究員 デザイン・ブランド戦略統括、南 俊叙氏は そうした要素について「美しいというだけではなくて、美し いからこそ手に取って使いたい、生活に取り入れたくなる、 というこれまでのパワープロダクツになかった製品デザイン 側からの新しい価値提案も考えられる」と語ります。

ライフクリエーションセンターがこの課題を解決するための 鍵と考えたのが、ダッソー・システムズの 3DEXPERIENCE® プラットフォームとデザイン・アプリケーションのCATIAで した。こうした作業環境は、新しいデザイナーたちや若いデ ザイナーたちにとって、アイデアを出す時のベースとなるも のです。南氏は次のように語ります。「人の手だけでデザイ ンしていた時代から、人や機械が全く新しいデザインを生み 出す力になっている時代になっていると思います。消費者の 購買心理は進化しており、我々の製品デザインもその変化を 反映する必要があります」「たとえば発電機であれば、それ を持ってキャンプに行きたい、と人の行動を起こさせるよう なデザインがあるかもしれません。そのような、一つ上のデ ザインを目指したいのです」

イノベーションの中心にあるのは人

南氏によると、ホンダの目標の根幹にあるものは確かにイノ ベーションですが、それは目標を達成するための手段ではな く、消費者が行動を起こしたくなるような斬新な視点でもの を見ることを意味します。南氏は次のように説明します。 「ただ単に新しいから成功するというだけのイノベーション ではなくて、どう人を中心にしていけるのかが重要です。一 見便利じゃないものでも、実は人が豊かに暮らせるものであ れば一つのイノベーションだと思うんですね」「イノベーテ ィブなデザインを実現する上では、デザイナーや技術者が使 える機材を数多く準備しておき、彼らの選択の幅を広げる必要があります。新しいツールが多ければ、より多くのアイデ アを形にすることができます。そこからデザインのさらなる 多様性が生まれます」

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3DEXPERIENCEプラットフォームを使用 して設計された、未来の芝刈り機のプロトタイプ。

より現実的なデザインの進め方

ライフクリエーションセンターのデザイナーは、3DEXPERIENCE プラットフォーム上で 3D やデジタルのモデルをベースにデ ザインを進められるようになりました。商品技術戦略室 デ ザインブロック デザイナーであり、CATIA エキスパートで もある大門 路人氏は次のように説明します。「CATIA は消 費者が製品を使うシーンを鮮明に描きながらデザインするこ とができる強力なツールだと思います。以前はさまざまなツ ールを使用していたためデータの変換に非常に手間がかか り、時間を浪費していました。3DEXPERIENCE プラットフ ォームがあれば、すべてのツールを 1 つのプラットフォーム 上にまとめることができます。デザインの進め方も進化しま した。また以前は、まずは形状を検討し、それから使う材料 を考えていましたが、今ではモデリングの段階で最終形状と か色、マテリアルを想像しながら表現することができます」

大門氏は、CATIA を利用するもう一つの強みが設計情報の再 利用だと語ります。「3DEXPERIENCE プラットフォームを導 入したことで、特にデータの共有化が今まで以上に強化され ています。例えば、私たちが作っている製品は大量生産品で すので、ボルトなどの共通部品は再利用します。それらすべ てをプラットフォーム上で素早く検索することができます」ライフクリエーションセンターでデジタルモデリングを担当 している天野 達也氏は、製品をデジタルで表現する際に、 デザイナーが表現したいところを見極めてそれを伝えること に気を配ります。同氏は CATIA Imagine & Shape のバーチャ ルモデリング機能を使用して、デザイナーのスケッチからバ ーチャルの正確な 3D モデルを作成します。天野氏は次のよ うに説明します。「CATIA Imagine & Shape を使うと、デザ イナーといっしょに画面で同じデザインを見て、その場でモ デルを動かしながら作業することができます。その後、バー チャル・リアリティ機能を使用し、出来上がったモデルをす ぐにその場でデザイナーと一緒に確認し、実際の大きさやボ リュームを把握します。そこでパッケージや実際の大きさな どを検証できます」天野氏はさらに、「エンジニアにも加わ ってもらい、製品の保守容易性などを実務的な側面からチェ ックしてもらうこともできます」と語ります。

大門 路人氏は 3DEXPERIENCE プラットフォーム上で同僚の デザイナーと連携して作業することが多く、それぞれの考え 方やアイデアを共有しています。「デザイナーにはそれぞれ 個性があったり、それぞれの経験則、あとは技術のレベルと かもあったりするんですけれども、それを新しい個性とか、 新しい視点として同じプラットフォーム上で動かせるように なるので、それがデザインの幅につながっていくのかなと感 じています」(大門氏)

 

デザイナーにはそれぞれ個性があった り、それぞれの経験則、あとは技術のレ ベルとかもあったりするんですけれども、 それを新しい個性とか、新しい視点とし て同じプラットフォーム上で動かせるよ うになるので、それがデザインの幅につ ながっていくのかなと感じています

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本田技術研究所ライフクリエーションセンタ
商品技術戦略室 デザインブロック デザイナー CATIA エキスパート 大門 路人氏

未来のデザイン

オートモービルセンター デザイン室 FPC 研究員を務める横 山 悠一氏は今回、新しい無人芝刈機のプロトタイプデザイ ンを CATIA で進めました。この芝刈機のデザインに対する アプローチとしては、同氏は以下の 2 つの方法を考えていま した。1 つはホンダが得意としているエンジンの力強さの表 現。そしてもう 1 つは自動運転の機能をふまえた AI のスマー トさの表現でした。そして同氏は、デザインでこの両面を表 現することにしました。「私の場合はまず 2D のスケッチを 描き、スケッチトレーサーで CATIA 上にデータを入れます。 CATIA Imagine & Shape で有機的なサーフェスを作成し、その 後 CATIA Part Design でソリッド化、そういった作業を主にし ています。デザイナーは 2D のスケッチを使うことが多いた め、そのほかの方、モデラーであったり、設計の方だった り、テストの方だったり、そうした方々とイメージを共有す るところが一番難しいと考えております。2Dのスケッチは奥 行きなどが分からないので、3Dを使うことによってチームで 同じ対象物を 3D で共有化できるということが大きなメリッ トです。また、光造形などですぐに立体に出力し、確認でき るということも大きなメリットだと思います」(横山氏)

デジタルモデリングのおかげで、ライフクリエーションセン ターのデザイナーやエンジニアの製品設計に対するアプロー チが変わりましたが、これにバーチャル・リアリティを組み 合わせることで設計プロセスのレベルがさらに高まります。 大門氏は次のように説明します。「3DEXPERIENCE プラッ トフォームによって、モデリングだけでなく製品のビジュア リゼーションも強化されました。いままでは机上検討ででき る範囲でのスタイリング、デザインが多かったんですけれど も、その製品が置かれる環境をあらかじめ読み込んで、最終 的なプロダクトを写真のようにリアルなデジタル環境で表現 できるということは、デザイナーにとっては非常に強力なプ ラットフォームになるだろうと考えます」

南氏は次のように語ります。「取り扱っている製品はパワー プロダクツですが、我々の背中を押しているのは世の中に貢 献したいという意欲です。パワープロダクツというブランド は、もともとホンダの原点でもあるエンジンを使いながら人 に役立てるものができないか、というところでスタートした 事業です。我々の価値観や原点を表現するには、デザインの 役割が極めて重要だと思います」

3DEXPERIENCE プラッ トフォームによって、モデリング だけでなく製品のビジュアリゼ ーションも強化されました

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本田技術研究所ライフクリエーションセンタ
商品技術戦略室 デザインブロック デザイナー CATIA エキスパート 大門 路人氏
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スケッチトレーサーを使用して無人自動 芝刈り機のプロトタイプをデザインしているホンダ のデザイナー。
honda life creation center logo

本田技術研究所 ライフクリエーションセンターについて

人々の暮らしを支えるパワープロダクツを研究開発しています。
製品: 家庭菜園用耕うん機、発電機、除雪機、船外機、芝刈機、電動 パワープロダクツ、カルチベーター(管理機)
本社所在地: 埼玉県朝霞市
詳細情報 global.honda/innovation/technology/power.html