GENERAL AERONAUTICS社

インドのGeneral Aeronautics社は、いくつかの最も大きな社会的な環境問題に取り組むために無人航空機システムを設計・開発しています。同社は、3DEXPERIENCEプラットフォームとクラウドのReinvent The Sky インダストリー・ソリューション・エクスピリエンスを導入して、製品ライフ・サイクルを完全に把握し、次世代ドローンの形状や機能を最適化しています。

ドローンによる、持続可能性への取り組み

電動航空機技術は、今日の社会が直面している環境的・人道的ないくつかの課題に対して、重要な役割を果たしつつあります。通常、有人航空機よりも安価な無人航空機(UAV)であるドローンは、人の安全性を損なうことなく、特定のエリアへの迅速な遠隔アクセスを実現します。

インドを拠点とする無人航空機システム(UAS)開発企業、General Aeronautics社は、最先端技術を応用して自国の喫緊の課題に取り組んでいます。インド北部のラジャスタン州の農家は、毎年、農作物を荒らし、農業に大きな被害をもたらす恐れのある昆虫の大群に悩まされてます。従来はトラクターや消防車に噴霧器を搭載して殺虫剤を散布していましたが、現在はこれをGeneral Aeronautics社のドローンが支援しています。同社の遠隔操縦航空機システムは州全域で使用されており、高所や通常の地上車両では近づけない場所に殺虫剤を散布しています。通常、1回の飛行で2.5エーカー(約1万平方メートル)の面積をわずか15分で散布できます。

最近の、コロナウイルス感染が拡大していた際に、同社はインド全土のCovid-19ホットスポットの大規模な除菌と監視のためにドローンを開発しました。2020年7月までに、General Aeronautics社のドローンは、バンガロールとブバネスワル市内の40ヵ所以上において、住宅地、市場、道路、病院に消毒液を散布しました。また、バンガロール警察は、住民の安全を守るための監視と、スピーカー経由で重要な情報を伝えるため、同社のドローンを活用しました。

「当社のドローンは、インド全土でコロナ禍の最前線で活躍してきました。このプロジェクトから学んだ教訓は、医療品、移植用臓器、精密農業を含む荷物の輸送などの用途をサポートする今後の製品戦略に役立ちます」(Abhishek Burman氏、General Aeronautics社、CEO)

General Aeronautics社は、ダッソー・システムズの3DEXPERIENCE®プラットフォームを使用して、すべての最先端技術を迅速に開発しています。同社は、クラウドベースのプラットフォームを導入することで、ドローンの開発期間を短縮して、その技術を民間、地域社会、軍事プロジェクトなど、より広範にわたって適用しています。

「クラウドベース版の3DEXPERIENCEプラットフォームは、拡張のあるデジタル設計およびシミュレーション・アプリケーションを単一で安全な標準ベースの環境で提供しているため、迅速かつ容易に導入できました。ダッソー・システムズのテクニカル・コンサルタントが、3DEXPERIENCEのクラウド機能のメリット、実際の事例や市場での関連する成功事例をなどを説明してくれました。スタートアップである当社には機敏さが必要であり、このプラットフォームがアイディアを発案する段階で極めて効果を発揮することを実感しています。」(Chinnarajan P氏、主任エンジニア、General Aeronautics社)

3DEXPERIENCE プラットフォームによる、最新ドローンの3Dモデル

クラウド・ネイティブ

General Aeronautics社は、多くのスタートアップ企業と同じように、既存の技術インフラに縛られることなく、最新のクラウド技術をいち早く取り入れ、競合他社よりも早く新製品やビジネス・モデルを立ち上げています。

「当社は、クラウド・ネイティブな企業です。インドで最初にクラウド版3DEXPERIENCEクラウドを導入した企業のひとつです。当社の設立メンバーは皆、航空宇宙・防衛分野でオンプレミスのスタンドアロン型のインストール・ベースを長年使用してきた経験があり、拡張性や柔軟性の面で限界を痛感していました。皆、クラウド・インストールのパワーが必要であることを認識していました。」(Devanandham Henry氏、システム・エンジニアリング責任者、General Aeronautics社)

クラウド版3DEXPERIENCEプラットフォームの導入が、いくつかのメリットをGeneral Aeronautics社にもたらしています。

「当社は小規模なスタートアップ企業であり、インフラやハードウェアの設定や保守について、特に心配したくありませんでした。必要なのは、優れたコンピューター・システムと信頼できるインターネット接続でした」(Devanandham Henry氏)

非常に迅速かつ容易にプラットフォームを導入することができたため、General Aeronautics社は、新しいソフトウェアを最大限に活用して、その機能を探求することに集中することができました。

「数時間でアプリケーションをセットアップして、ITの課題、リソース管理、ダウンタイムの回避、初期段階での問題解決にかかる時間を大幅に節約して、即立ち上げることができました。」(Anil Kumar氏、技術担当者、General Aeronautics社)

シームレスな連携による、迅速な意思決定により、設計サイクルタイムを30%短縮しています。

General Aeronautics-Abhishek Burman
Abhishek Burman氏
CEO、General Aeronautics社

アジリティとイノベーション

アジリティとイノベーションの企業文化を組織に取り入れることが、General Aeronautics社がダッソー・システムズとの提携を決めた最大の理由のひとつでした。

「当社には機敏さが必要です。社会に効果をもたらし、人のために役立つ、ドローンのさまざまな用途を探求しています。例えば、農業への応用を検討しています。これは当社にとって新しい分野のため、ドローンをどのように役立てることができるのか理解するために、農家や農業機関と連携しています。農家にとってもまったく新しい試みのため、ライフサイクル全体を通じて新たに変化する要件に対応しています。」(Abhishek Burman氏)

市場投入までのスピードが重要なこの業界において、General Aeronautics社は、すべての専門分野を結びつけて製品開発を加速させる必要があります。

「構想段階から市場投入までの製品の詳細化、計画、管理には厖大な労力が必要です。3DEXPERIENCEプラットフォームで設計および製品開発を標準化するアプローチにより、設計の反復作業を減らして収束を加速させ、市場投入までの期間を大幅に短縮しています。」(Srikanth Srinivasan氏、セールス・マーケティング責任者、General Aeronautics社)

同社は現在、クラウド版3DEXPERIENCEにより、すべての製品設計と製造プロセスを実行して、より効率的かつ集約的に作業を進めています。

「システムズ・エンジニアリングで使用されている従来のモデルは、オペレーションのニーズから始まり、要件を策定して、ドローンの設計、開発、製造を経て、システムの検証および有効性の確認が行われます。これらのプロセス全体に非常に多くの関係者が関わっているため、全員が互いに情報をやり取りすることは困難です。大きな課題はツール同士の連携であり、3DEXPERIENCEを活用して、3DEXPERIENCEのネイティブ・アプリだけでなく、弊社が社内で使用しているその他のツールも統合しています。このシームレスな連携による、迅速な意思決定により、設計サイクルタイムを30%短縮しています。」Abhishek Burman氏。

ドローンによる殺虫剤の散布

同じ目標を目指す

General Aeronautics社は、 3DEXPERIENCEプラットフォームでデジタル連続性を確保して業績評価指標を達成し、新しいアイデアや設計を迅速に市場に投入しています。

「グローバル化がさらに進む市場において競争力を確保するために、生産性と効率を向上させることが、当社組織の主要な基準のひとつです。3DEXPERIENCEプラットフォームにより、同じ課題について何度も繰り返し議論する必要がなくなりました。全員がいつでもどこでからでも、信頼できる唯一の情報源を利用しています。」Ramaseshan Satagopan氏、COO。General Aeronautics社)

現在、同社のすべての専門分野が目的を明確にして、さまざまな顧客のユース・ケースに合わせてドローンを素早く再構成しています。

「アセンブリーのツリー構成を交換・変更できる使いやすいオプションを備えたアプリケーションでの、信頼性の高い設計機能により、基本的なコンセプトを維持しながら、さまざまな市場用途向けUAVのいくつかのバリエーションを提供できます。サブコンポーネントのモジュール化は、異なる役割を持つ、製品の再構成に非常に役立ちます。主な要件を可視化して顧客に説明することができるため、製品のアセンブリー/アプリケーションに必要な重要なパラメータを十分に考慮することができます。」(Chinnarajan P氏)

クラウド版3DEXPERIENCEプラットフォームは、高度な機能を提供する固定翼ハイブリッドおよびマルチコプターUAVシステムの開発において重要な役割を果たしています。

General Aeronautics-Kota Harinarayana
Dr. Kota Harinarayana氏
創設者/会長、General Aeronautics社

UAV機能の進歩

General Aeronautics社は、3DEXPERIENCEプラットフォームのモデルベース・システムズ・エンジニアリング(MBSE)および複合領域設計最適化(MDO)機能を使用して、ドローンの仮想開発とシミュレーションを行っています。これにより、新たな設計と反復作業を仮想的に分析・検証して、不要かつ高額な物理的試作のコストを回避し、単一の環境で複数の技術ドメインをまたぐモデルとパラメータを共有して、各プロジェクトのコストやスケジュールに影響を及ぼす多くの統合上の課題を解消しています。

垂直離陸式小型UASであるGA-1は、プラットフォームで開発された最初のドローンのひとつです。真に多目的に使用できる、効率的な前方飛行および耐久性に優れたドローンの設計とペイロードの再構成により、高解像度の監視機器搭載から都市部や遠隔地への物品の配送など、さまざまな用途に対応することができます。

「クラウド版3DDEXPERIENCEプラットフォームは、高度な機能を提供する固定翼ハイブリッドおよびマルチコプターUAVシステムの開発において重要な役割を果たしています。ダッソー・システムズとの連携により、設計、エンジニアリング、統合、製造の統合のみならず、UAVシステムの物理的およびデジタル表現を表現するデジタルツインで、包括的な設計および開発プロセスを実現しています。」(創設者/会長、Kota Harinarayana氏、General Aeronautics社)

general aeronautics logo

General Aeronautics社について

General Aeronauticsは2016年に設立されたスタートアップ企業であり、効率的かつ信頼性およびコスト効果の高い、航空宇宙ビークルの設計および開発におけるグローバル・リーダーになることを目指しています。同社は、農業、軍事、救急医療、監視など、さまざまな地域社会および産業用途のドローンおよび無人航空機システムを開発しています。

詳細情報:www.generalaeronautics.com