ABBALab inc

ABBALabはスタートアップ企業にプロジェクト推進に必要なソフトをクラウド上に展開された3Dエクスペリエンス・プラットフォームを提供して初期に必要なソフトおよびハードへの投資費用を圧縮してます。

スタートアップ企業のきらめくイノベーション

ABBALab社(東京)は、モノのインターネット(IoT)市 場向けのハードウェアの開発や市場化をめざすスタートア ップ企業を対象に、2014年に支援プログラムを立ち上げま した。ABBALab社は、初期開発のプロトタイピング段階か ら、資金や設備の提供からスキル向上のための教育まで、多 岐にわたるサービスを提供しています。

ABBALab社CEO、小笠原 治氏は次のように述べています。 「弊社はGugen2014というハードウェア・コンテストのプ ラチナ・スポンサーを務めたのですが、それに電動義手の 開発企業であるイクシー株式会社が応募していました。私が イクシー社に当社の支援プログラムへの参加を打診したとこ ろ、同社CCOの小西 哲哉氏から、ダッソー・システムズの 設計アプリケーションCATIAを利用できるのであれば参加し ます、と言われました。それが最初にCATIAを導入した理由 です」

現在、電動義手は非常に高価なデバイスです。小西氏らは、 電動義手の機構から基板、形状デザイン、プログラミング・ コードに至るまで、すべての設計をオープンソース形式で提 供できないかと考え、仲間とともにイクシー社を創業しま した。「また、3Dプリンターを義手の製造に使用すること は、ゲーム・チェンジャーになると考えています。かつて ないほど手ごろな価格で義手を入手できるようになるからで す」と小西氏は述べています。

小西氏は、イクシー社がABBALab社の支援プログラムに参 加する条件としてCATIAの導入を求めた理由を次のように説 明しています。「他にも多くの設計アプリケーションを試し ましたが、自分にとってはCATIAが最も想い通りの形状を作 成しやすいソリューションでした。CATIAを利用できなけれ ば、自分のアイデアを表現できないだろうと思ったのです」

クラウドベースのテクノロジーで共創を支援

小笠原氏はその後、DMM.makeの総合プロデューサーとし て、量産化を前提とした製品のプロトタイピング用の各種 設備を備えたファブ施設、DMM.make AKIBAを設立しまし た。たとえばイクシー社は、ABBALab社の支援を受け、 電動義手の開発にDMM.make AKIBAの設備を利用していま す。「ABBALab社の業務をDMM.make AKIBAをベースとす るモデルに移行したときに、クラウドベースの3Dエクスペ リエンス・プラットフォームを採用し、それ以後、スター トアップ企業への支援体制を拡充しました」(小笠原氏)。

小笠原氏は次のように述べています。「われわれが3Dエク スペリエンス・プラットフォームに引き付けられた第一の 理由は、共創の可能性が開かれるクラウドベースのアプロー チである点です。クラウドベースであれば、特定の場所で作 業しなければならない、という制約がなくなるからです。他 の大きな理由は、このプラットフォームではファイルではな く、データベース上でデータを一元管理できるため、常に最 新の情報に確実に、リアルタイムでアクセスできるという点 です。この機能は本当に、『共に創る』という当社の全体構 想に結び付いていて、コラボレーション可能な環境で、多くの 人の協力を得ながら一つの設計を作り上げることができます」

「クラウド上の3Dエクスペリエ ンス・プラットフォームによっ て、世界のどこからでもリアル タイムに最新の情報にアクセスできること が保証されることで、共創のための数多く の可能性が開かれました。これが、共に創 るという全体構想に結び付いており、コラ ボレーション可能な環境で、多くの人が協 力して1つの設計を作り上げることができ ます

abbalab ogasahara
ABBALab社CEO
小笠原治氏

このプラットフォームでは、ユーザーが世界のどこにいて も、新しいプロジェクトの最新情報にアクセスできます。 たとえばイクシー社の電動義手のデータは、プラットフォー ムから完全にオープンソースであるパッケージで入手できま す。米国やポーランドなど世界各地のユーザーが、既にデー タをダウンロードし、そのデータを自社の製品で利用し始め ています。

小西氏は次のように述べています。「クラウドベースの3D エクスペリエンス・プラットフォームでは、すべてのデータ を履歴や属性と共にそのまま共有できます。さらに離れた場 所の他のユーザーとも、プラットフォーム上のチャット機能 でやりとりができるため、意思疎通の助けになっています」

今後は、個人のエンジニアにももっと利用しやすい環境にな れば、と小西氏は考えています。「企業という環境を飛び出 して独立したいと考える人はとても多いのですが、独立して しまえば(企業の資産である)CATIAを利用できなくなると 分かっています。この点がずっと気になっていて、個人のエ ンジニアでもCATIAを利用できる環境があれば、世界中でも っと多くの人たちが、クリエイティビティを発揮して自分の アイデアを形にできるようになると思います」

Consumer Electronics (家電)をREVOlution(革新)する という思いを込めて命名されたもう一つのスタートアップ企 業、Cerevo社は、日常生活を便利で豊かにすることを目的と した、革新的な消費者向けネットワーク・デバイスを作って います。Cerevo社は、同社CEOの岩佐琢磨氏が、DMM.make AKIBAの立ち上げ時にABBALab社の小笠原氏と協力したこと を契機に、ABBALab社の構想に触れました。Cerevo社設計 エンジニアの石井 剛太氏は次のように語っています。

「弊社はこれまで10以上の商品を量産化し、市場に出して きました。このプログラムでは、その過程で得たノウハウを 他の企業に伝えつつ、コラボレーションの関係を築いて共同 開発などのプロジェクトを実施できればと考えています」

イクシー社が提案する電動義手「HACKberry」 の CATIAデザイン図。より詳しくお知りになりたい方は下記 アドレスをご参照ください。www.exiii.jp/hackberry.html

リアルタイムのコラボレーションで相乗効果を促進

石井氏は、ユーザーどうしがつながって協力することに、 クラウドベースの3Dエクスペリエンス・プラットフォーム がさらに貢献できると期待し、次のように述べています。 「たとえば金型メーカーに設計データを提供する場合、未 だに、実際の作業場所へ出かけて試作品を見て、その場でデ ータに必要な変更を加えることがよくあります。それらをす べて、オフィスにいながらできるようになることを期待して います。クラウドベースのプラットフォームを使って遠隔地 のメーカーと一緒にデータを見て、必要な修正があればすぐ に指示をする、といったやり方です。DMM.make AKIBAに 入居している別のスタートアップ企業と協力すれば、Cerevo 社だけではうまくいかない構想や製品をも世に出せます。こ れは、DMM.make AKIBAという場でかなりの相乗効果が得 られる可能性があることを意味します。DMM.make AKIBA に入居している他のスタートアップ企業と、互いが必要とす るリソースを共有し、さらにデータ共有の仕組みを活用すれ ば、本当に相乗効果が急速に上がっていくだろうと思いま す」

株式会社Cerevoが販売する、人気アニメ 「PYCHO-PASS サイコパス」に登場するドミネーターを精巧 に再現されたスマート・トイ。劇中でキャラクターボイスを 担当した方の音声を100種類以上撮り下ろしで収録していま す。より詳しくお知りになりたい方は下記アドレスを参照く ださい。dominator.cerevo.com/

「ABBALab社の目的は、製品自体の価値が顧客にアピール する、高品質なハードウェアの開発を志す企業を支援する ことです。クラウド上の3Dエクスペリエンス・プラットフ ォームによって、スタートアップ企業は自社のプロジェクト に豊富な設計情報を提供し、イノベーションの実現に向けた 自社の可能性を大きく引き上げることができます」というの が、小笠原氏の結論です。

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株式会社ABBALabについて

株式会社ABBALab(アバラボ)は「少し未来のもの づくり」をテーマに、IoTハードウェアスタートアップ を支援するプログラムを提供します。素晴らしいア イデアや企画にもとづくIoTハードウェアの開発を 目指すチームに対し、「プロトタイピング」と「プロ ダクトの適量生産モデルの開発」、二つの過程に おいて様々な形で支援を行います。

サービス内容: IoT関連スタートアップ企業へのプ ロトタイピング・シードラウンド投資や、育成支援 を行う。 従業員数: 3名 本社: 東京都 詳細情報: www.abbalab.com

Progress Technologies

詳細については

プログレス・テクノロジーズは、ものづくりのイノベ ーションをテーマに掲げ、創業以来革新的な製品 開発及び設計開発領域に特化した統合サービス(製品設計サービス、開発プロセス改革コンサルティングサービス、CAE/解析サービス、3DCADインプリメンテーションサービス、MATLAB/Shimulinkサービス、HPC/GPUコンピューティングサービス)を提供してきました。

また、常に新しい挑戦をテーマに掲げ、ロボット開 発や人工知能、IoT製品開発などにも情熱を持って取り組んでおり、様々な角度から日本のものづくりの発展に貢献しています。