May 30 2014

ダッソー・システムズが心臓の3Dシミュレーション・モデルを発表心臓病と個別化医療の研究に新たな地平を拓く

「リビング・ハート・プロジェクト」にエンジニアリングや医療など、 多分野の専門家が集結、心臓の診断や治療の未来の定義を促進

2014年5月20日仏ヴェリジー=ヴィラクブレーおよび米プロビデンス発プレスリリース 日本語参考訳 –  3Dエクスペリエンス企業であり、3D 設計ソフトウェア、3D デジタル・モックアップ、そしてプロダクト・ライフサイクル・マネジメント(PLM)ソリューションにおける世界的リーダーであるダッソー・システムズ(Euronext Paris: #13065, DSY.PA)は、人間の心臓全体を3D化した世界初のリアリスティック・シミュレーション・モデルを公開しました。循環器疾患の治療に携わる専門家達を、分野をまたいで横断的に集めたチームと共に立ち上げられた「リビング・ハート・プロジェクト」は、(一般化した共通モデルではなく)患者自身の心臓を3Dでバーチャルモデル化することで、心臓病の診断、治療、予防に新たな地平を拓くことになります。

WHO (世界保健機関)の最近の調査結果によると、2008年に世界全体で1,730万人が循環器疾患で死亡しており、これは世界全体の死亡者の30パーセントを占めています。AHA (米国心臓協会)の報告書「Forecasting the Future of Cardiovascular Disease in the United States (米国における循環器疾患の将来予測)」では、今後30年間のうちに、循環器疾患に直接的にかかるであろう医療コストは、計8,181億米ドルに上ると試算されています。

本プロジェクトの中核となるのは、ダッソー・システムズが提供する3Dエクスペリエンス・プラットフォームのリアリスティック・シミュレーション・アプリケーションを使って3D化された心臓モデルです。ダッソー・システムズのシミュレーションの専門家が、当社のSIMULIAアプリケーションが実現する最先端のシミュレーション技術を活用し、心臓の電気的・力学的挙動を、極めて現実に即した形で鮮明に捉え再現できる、心臓全体の3Dモデルを開発しました。

今日、実物に極めて近い(=リアリスティック) 3D人体モデルは無いため、人体内部において医療機器がどのような動作をするかを研究者が予測することは困難です。「リビング・ハート・プロジェクト」には、研究により得られた技術革新を、より速やかに製品やサービスとして市場化することを目指し、医療研究者、医療従事者、機器メーカー、業界の規制当局といった、コンピュータで計算された(心臓の) 3Dモデルを活用することとなる様々な分野の専門家が集結しました。

心エコー図、MRI、CTスキャンといった画像と、心臓病の研究データを組み合わせた、患者個人の3D心臓シミュレーションを実現することにより、医療専門家は、患者の心臓の挙動を、侵襲性を伴う診断手順を追加することなく、より的確に理解できるようになります。

米カリフォルニア大学サンディエゴ校小児科教授、および Rady Children’s Hospital (米サンディエゴ)で電気生理学および成人先天性心疾患(ACHD)のディレクターを務めるJames C. Perry博士は、次のように述べています。「私たちは、広範囲に及ぶ診療行為に対し、患者の心臓がどのような反応を示すかを、患者自身や他の方々に診療に伴う不安を与えることなくシミュレーションを通じ検証することが可能な素晴らしい時代に生きています。これは先天性心疾患を持っている方々、生きるために多くの心臓手術が必要な方々はもちろん、心不全や不整脈、心臓に構造的異常を有する多くの方々にも当てはまります。このテクノロジーは、私たちの基本的な、心機能に関する科学的理解を実務に応用できるよう転換し、健康や安全を改善していくうえで大きな前進です」

リビング・ハート・プロジェクトは、循環器のモデリングとシミュレーション分野における多くの優れた才能を結集し、複雑な挙動の非線形シミュレーションというSIMULIAアプリケーションの代表的機能を用いて、可能な限りもっとも現実に忠実で信頼できる結果を生み出します。

ダッソー・システムズのSIMULIAブランドCEOであるスコット・バーキーは、次のように述べています。「ダッソー・システムズはこれまで、多くのシミュレーション・プロジェクトに関わってきました。その中には(事故による)重傷を回避するための自動車のデザイン・シミュレーションもあれば、著名な研究者と共に行った、直接的な衝撃を伴うスポーツが脳に与える影響の研究もあります。多分野にわたる専門家の皆様とのコラボレーションによって実現したこのリビング・ハート・プロジェクトは、長期的な影響をもたらすこととなります。著名な研究者、医療従事者、規制当局のご協力により、このプロジェクトは、3Dエクスペリエンス・プラットフォームが製品、自然環境、人々の生活の向上を手助けする新たな一例となるでしょう」

人間の心臓のリアリスティック・シミュレーションは、教育的な目的や、実務への転換を図るための研究によるイノベーションを刺激する有益なツールとなるだけでなく、諸規制の許認可サイクルの短縮や、これまで以上に患者の状況に応じて個別化された、新しい医療機器を開発する際のコスト削減につながり、究極的には早期診断や治療結果の改善が可能となります。

米 Medical Device Innovation Consortiumのプレジデント兼CEOであるビル・マレー氏は次のように述べています。「リビング・ハート・プロジェクトは、リアリスティック・シミュレーションがヘルスケアにもたらす大きなプラスの効果が表す価値や可能性を示す重要な事例です。MDICはFDA (米国食品医薬品局)との官民パートナーシップを結んでおり、喜んでこうした種類の革新的な取り組みに参加していきます。リビング・ハート・プロジェクトは、医療機器業界において行政科学を前進させるための協業、そして最先端の医療技術に患者さんがアクセスする方法を改善するモデルです」