グローバル・リーダー・シリーズ

GKN社、航空宇宙・地上システム担当最高責任者、Marcus Bryson氏との対談

1993年以来、GKN Aerospaceは、高精密製造、航空機構造、材料技術を有する企業を買収し、OEM向けの世界屈指の能力を持つサプライヤーに成長してきました。GKNは、最高経営責任者のMarcus Bryson氏のリーダーシップの下で、大きく業績を伸ばしました。Bryson氏は、2014年1月には英国の航空宇宙/防衛/セキュリティ/宇宙業界の大手組織、ADS Group社の社長に就任し、戦略的に重要な英国のAerospace Growth Partnershipの共同議長と兼任しています。『Aviation Week & Space Technology』の元編集長であるTony Velocci氏とのインタビューでは、Marcus Bryson氏が、GKNの将来、リーダーであることの意味、英国の防衛業界について見解を語っています。

抽出

航空宇宙業界は、他の業界同様、非常に競争が激しく、GKNがビジネスを展開する市場では特にそうした傾向が顕著です。 GKNの企業文化において、GKNが他の企業と一線を画している要素とは何でしょうか。

GKNは小さな企業からスタートしましたが、今でも「small company DNA(小規模企業のDNA)」と呼ぶ起業時の精神を堅持しています。無駄がなく、機動性が高い会社ほど、迅速に意思決定を下すことができます。現在、企業規模は大きくなりましたが、こうした企業文化を維持することはとても重要です。

GKNのもう一つの特徴は、収益のかなりの部分を技術開発に投資し、成功を収めている点です。私たちは常に優れた技術バックグランドを有してきました。その結果、私たちのお客様は、私たちが作り出す技術を重要な差別化要因と見なしています。

 

航空宇宙ビジネスを取巻く環境は厳しさを増しつつあり、顧客はすべてのサプライヤーに対してより高いレベルのパフォーマンスを要求しています。 GKNはこうしたタフな環境にどのように対応していますか。会社が成功しつつある最も有力な証拠は何だと思いますか。

ほんの10年ほど前までは、一部のお客様は、要求が満たされていることで、サプライヤーのパフォーマンスを評価していました。納入日が8月1日か8月31日かは関係ありませんでした。遅かろうが早かろうが、合格点は得られたのです。私たちは、こうしたレベルをすでに超えています。もちろん、決められた納品日の納入を厳密に求められ、わずか4時間程度の猶予しか与えられない自動車業界のサプライヤーと状況は異なります。それでも、航空宇宙業界は根本的に変化しました。英国では、航空宇宙業界のメンタリティはジョブショップ(注文生産方式)と同じでした。しかし、GKNは新たな環境に順応することで、世界レベルのメーカーとなるべく取り組みを続けています。

御社では、比較的低リスクの応用技術への研究開発費にどのくらい支出していますか。また、革新的技術への投資はいくらぐらいでしょうか。

弊社は両方を重視しています。応用技術の点では、製品をさらにコスト効率よく生産する方法に注目しています。 一方、革新的技術に関しては、民間航空分野で重要性が増しつつある複合材料の領域に対してかなりの投資を行っています。長年、こうした技術にはあまり進歩が見られませんでしたが、最近、急速に変化を遂げています。次のブームの再来は、次世代の単通路型航空機とともにやってくるでしょう。

正確な時期はわかりませんが、それは複合材料の航空機になると予想しています。ただしその前に、複合材料の製造および応用に関して、革新的な技術進化が必要です。複合材料はまだまだ高価であり、製造に時間がかかりすぎます。機体メーカーは月産50機を目指していますが、現在の方法では、複合材料を使ってこの生産率を維持することはできません。資本面でも、エネルギー面でも負荷が高すぎます。 まったく新しい方法による複合材料の製造に注目する必要があります。

最近、弊社では、複合材料の翼を金属製の翼よりも安く製造することを目標とした新たなプロジェクトを英国で起ち上げました。従来の方法とどこが大きく異なるかというと、 それは次のように説明できます [...]

今後も進展が予想されるこの業界では、変化に迅速に対応できる企業ほど成功のチャンスは高まります。一方、変化と技術革新が遅い企業は生き残ることはできないでしょう。

Marcus Bryson氏 GKN、航空宇宙・地上システム担当最高責任者